
岡田外務大臣によるラモス=ホルタ東ティモール民主共和国大統領への表敬
平成22年3月15日
本15日(月曜日)、岡田克也外務大臣は、ジョゼ・ラモス=ホルタ東ティモール民主共和国大統領立ち会いの下、ザカリアス・アルバノ・ダ・コスタ外務大臣との間で無償資金協力2案件に関する書簡の交換を行った後、引き続いて18時45分頃より約40分間、同大統領を表敬したところ、やり取りの概要は以下のとおりです。
- 冒頭、岡田大臣から、川上国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)事務総長副特別代表の突然の逝去について我が国政府として残念に思っている旨述べ、ラモス=ホルタ大統領からも、御家族、日本国民、日本政府に対し哀悼の意が表されました。
- 続いて、岡田大臣より、大統領としての初の訪日を歓迎した上で、「貴国が本格的な国造りの安定的な発展に向かっている現状を歓迎。」、「署名した2つの経済協力案件が気候変動対策に貢献することを望む。」と述べました。これに対し、ラモス=ホルタ大統領より、我が国の1999年以来の支援に感謝の意を表した上で、「東ティモールは、2006年の混乱以後、2007年8%、2008年12.8%、2009年約14%の持続的経済成長を達成した。しかし極度の貧困問題への対処には、今後10年間で年7%から8%の成長が必要である。石油・ガス収入等により、インフラ整備等を進めることで可能だと考えるが、継続的な日本の支援は重要である。また、より多くの日本企業の投資を期待する。」と述べました。岡田大臣から、「我が国のNGOや企業も東ティモールで活躍しており、お役に立てると確信している。我が国としては協力を継続したい。」と述べました。
- また、ラモス=ホルタ大統領から、「日本の利益ともなるアジアの平和・繁栄に対するこれまでの日本の貢献を期待する。戦後50年間の平和主義の維持や世界や地域への貢献に鑑み、日本の国連安保理常任理事国入りを支持するとの姿勢に変更はない。」と述べ、さらに同大統領より、「日本の核廃絶に向けた努力を強く支持している。北朝鮮の核問題は、地域を不安定化するものであり、日本が他の5ヶ国とともに進めている努力を支持する。」と述べました。これに対して、岡田大臣より、安保理常任理事国入りへの支持について感謝しつつ、核軍縮・不拡散問題や北朝鮮の問題でも協力していきたい旨述べました。
- さらに、ラモス=ホルタ大統領から、「気候変動問題については、国の大小や貧富に関わらず全ての国に影響を及ぼす問題であり、一つの解決策を見いだすことは可能である。特に、世界の人口の50%、貧困層の60%を有するアジア諸国が、対立を避ける伝統的な文化を活用し、その叡智を結集して解決策を探るべくイニシアティブを取ることが解決に繋がる。」旨述べ、岡田大臣からは、「今はアジアの時代であり、もしもアジアが気候変動に一つの答えを出すことが出来れば、世界に広げられると思う。」と述べました。