
ガーナ共和国に対する無償資金協力に関する書簡の交換
平成22年3月12日

- 本12日(金曜日)(現地時間同日)、ガーナの首都アクラ市において、我が方片上慶一駐ガーナ国大使と先方クリス・ポド外務・地域統合副大臣(Ambassador Chris Kpodo, Deputy Minister for Foreign Affairs and Regional Integration of the Republic of Ghana)との間で、以下5件の無償資金協力(総額28億600万円)に関する書簡の交換が行われました。
(1)「貧困削減戦略支援無償資金協力」(供与額:3億3,600万円)
(2)「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」(供与額:6億1,000万円)
(3)「貧困農民支援」(供与額:4億6,000万円)
(4)「気候変動による自然災害対処能力向上計画」(供与額:7億円)
(5)「森林保全計画」(供与額:7億円)
- ガーナは、政治的・社会的安定を保ち、国内の政治・経済改革に積極的に取り組んでいる一方、依然として脆弱な経済構造、貧困等の開発課題を抱えていることから、我が国は、農業、インフラ等の分野での協力のほか、一般財政支援も実施しています。
- 今回の5件の協力は、我が国が2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)において、アフリカ諸国の農業・食料、環境・気候変動分野での取組みを支援していくことを表明していることに基づき、具体化するものです。また、鳩山イニシアティブの一環として実施することとしたものです。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して、コペンハーゲン合意への賛同も表明しているガーナと引き続き気候変動分野で連携していきます。
(1)「貧困削減戦略支援無償資金協力」は、ガーナへの財政支援を行うものであり、我が国が実施するプロジェクトから得た知見を生かしつつ、我が国が重視する政策分野におけるガーナ政府の取組を促し、当該分野の開発効果を高めることが期待されます。
(2)「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」は、ガーナ大学付属野口記念医学研究所の電力系統に連系する太陽光発電システムの整備に必要な資金を供与するものであり、ガーナ政府が推進している再生可能エネルギーの導入や温室効果ガスの排出量削減に貢献するものです。
(3)「貧困農民支援」は、ガーナの小規模稲作農民が廉価な農業機械を購入することが可能となるよう同国に必要な資金を供与するものであり、ガーナの国産米増産に寄与することが見込まれます。
(4)「気候変動による自然災害対処能力向上計画」は、2009年8月から9月に発生した豪雨災害を受け、ガーナの洪水被害に対する緊急的な対処及び緊急時に備えた資機材の整備に必要な資金を供与するものであり、被災民への給水等を通じた生活環境の改善や洪水被害のリスクの軽減が見込まれます。
(5)「森林保全計画」は、近年違法伐採を含む森林破壊が深刻化しているガーナに対し、森林の基礎情報の収集、モニタリング、評価等に必要な資機材を調達するための資金を供与するものであり、森林破壊の抑制や温室効果ガスの排出量削減に貢献することが期待されます。
(参考) ガーナ共和国はアフリカの西部に位置し、国土面積は約23.9万平方キロメートル、人口は約2,340万人(2008年、世銀)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)は約670米ドル(2008年、世銀)。