9日、午後5時15分頃より、中曽根外務大臣は、外務省において、約10分間、ダ・コスタ東ティモール民主共和国外務大臣と会談した後、引き続き、グスマン同国首相兼国防・治安大臣と約25分間会談を行ったところ、その概要以下のとおりです。
1.ダ・コスタ外相との会談
(1) 中曽根大臣より、ダ・コスタ外相に対し、冒頭、歓迎の意を表した上で、「東ティモールが我が国の外交的立場を継続して支持してくれていることについて感謝。今後も貴国の国づくりを様々な分野で支援するとともに、国連安保理における東ティモールに関する議論についても、リード国として主導し支援したい。さらに海上警備分野の支援についても進展していることは喜ばしい。」旨述べました。
(2) これに対し、ダ・コスタ外相より、「首相や自分(同外相)の招待、及び、これまでの日本の継続的な支援に感謝。自分の外相就任後2年間で二国間関係が強化されてきたが、引き続き未来志向で関係を強化したい。また、国連に関しても、東ティモールに関するコア・グループ会合での積極的な役割を高く評価し感謝する。引き続き日本の安保理非常任理事国としての活躍、及び、日本の常任理事国入りを含む国連改革に関する日本の立場を支持する。」旨述べました。
2.グスマン首相との会談
(1) 引き続き行われたグスマン首相との会談では、二国間関係について、中曽根大臣より、「昨年の首脳襲撃事件は大変な事態であったが、貴首相の手腕により事態が安定していると認識、敬意を表する。今次訪日を二国間関係がさらに発展する契機としたく、今後も東ティモールの国づくりについて可能な限りの支援を行いたい。」旨述べました。これに対して、グスマン首相より、「昨年の首脳襲撃事件は国家改革を進める上でより努力が必要であることを認識する良い契機となった。これまでの累積で約150億円にのぼる支援について感謝する。日本が若い国の国づくりにさらなる役割を果たしてくれることを確信する。特にインフラ整備が重要であり、その観点から円借款の供与について是非ともお願いしたい。」旨述べました。中曽根大臣から、「円借款については、貴国の関心も踏まえつつ、インフラ整備支援の可能性を調べるための調査団の派遣について検討したい。」旨述べました。これに対して、グスマン首相より、「円借款の調査団派遣については、東ティモールの状況を調査いただくとともに、円借款に関連するプロセスを管理する手法を学ぶ良い機会としたい。」旨述べました。
(2) 国連の場における協力については、グスマン首相より、「国連における東ティモールのコア・グループ会合プロセスでの支援について感謝する。」旨述べたのに対して、中曽根大臣から、「日本の外交的立場への継続的な支持に感謝する。先月のUNMIT(国連東ティモール統合ミッション)のマンデート延長の議論を安保理議長として主導できたことは良かった、今後とも東ティモールと連携し、安保理での議論を進めていきたい。特にUNMITから東ティモール国家警察への権限委譲が円滑に進むことに注目している。」旨述べました。これに対して、グスマン首相から、「国連改革や、日本の安保理常任理事国入りについて日本の立場を支持してきたが、この立場に変わりはない。マンデート延長につき日本が果たした役割に感謝する。現在UNMITの副代表として日本の川上氏が活躍しており、引き続き協力したい。マンデートの1年間延長を活用して、警察権限の委譲を進めたい。国家警察の改革については、これまでもUNMITへの文民警察官派遣等で支援を頂いているが、引き続き支援をお願いしたい。」旨述べました。
(3) これらに対して、中曽根大臣より、「我が国は、東ティモールの安定と発展はアジア大洋州地域の安定と平和のために重要との認識の下、独立前より支援を行ってきており、今後もこの考えに基づき、幅広い分野で支援を継続していきたい。警察関係については、本年もJICAを通じて5名の警察官を警察大学校の研修に受け入れたが、引き続き協力していきたい。」旨述べました。