
第6回アジア不拡散協議(ASTOP VI)の開催
平成21年12月11日
- 第6回アジア不拡散協議(Asian Senior-level Talks on Non-Proliferation, ASTOP VI)が、本11日(金曜日)、三田共用会議所において開催され、主催国である我が国の他、ASEAN諸国、中国、韓国、米国、豪州、カナダ、ニュージーランドから、不拡散政策担当者(局長級)がそれぞれ参加しました。
- 協議では、吉良州司(きら・しゅうじ)外務大臣政務官がオープニングスピーチを行いました。その中で同政務官は、北朝鮮の核・ミサイルの開発の問題について、米国のボズワース北朝鮮政策担当特別代表が訪朝する等、六者会合の再開に向けた努力が続いているが、引き続き安保理決議の履行を通じ、北朝鮮に対し、核の保有は許さないとの国際社会の強い姿勢を示し続ける必要があること、また、イランの核問題についても、国際的な不拡散体制を堅持するため、安保理決議の履行を続けながら、イランに対し、IAEAを含む国際社会への協力を呼びかけていく必要がある旨指摘しました。その上で同政務官は、我が国としても、引き続き軍縮・不拡散分野で主導的な役割を果たしていく決意であり、本日の議論が、不拡散体制の強化に向けて我々が共に歩んでいく基礎を作るものとなることを心から期待する旨述べました。
- 協議での議論のポイントは以下のとおりです。
(1)不拡散をめぐる最近の情勢として、北朝鮮の核・ミサイル開発、六者会合をめぐる現状及び対北朝鮮制裁の実施、イランの核問題をめぐる現状及び対イラン制裁の実施につき意見交換が行われました。
(2)またIAEAの保障措置に関連して、(イ)我が国における保障措置の実施状況が紹介された他、(ロ)IAEA追加議定書の普遍化や実施に関する諸問題、(ハ)原子力の平和利用の可能性について意見交換が行われました。
(3)加えて、来年米国が首脳会議を主催する核セキュリティの問題や、拡散に対する安全保障構想(PSI)について議論されました。PSIに関しては、本年シンガポールが開催した訓練「Deep Sabre II(ディープ・セイバー・ツー)」の結果について紹介されました。
- 協議終了後、飯倉公館において福山哲郎(ふくやま・てつろう)外務副大臣主催レセプションが開催され、協議出席者と我が国の不拡散分野の関係者との交流・意見交換が行われました。本協議のようにアジア諸国の実務責任者が一堂に会し、不拡散分野の諸問題について包括的に情報・意見交換する機会はほとんどなく、我が国にとっても非常に貴重な協議となりました。