報道発表

ネパールに対する無償資金協力(貧困農民支援)について

平成19年3月5日
  1. 我が国政府は、ネパール政府に対し、「貧困農民支援」として、総額3億円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月5日(月曜日)、カトマンズにおいて、我が方平岡邁駐ネパール国大使と先方ラメショア・プラサド・カナル大蔵省次官代行(Mr. Rameshore Prasad Khanal, Officiating Secretary, Ministry of Finance, the Government of Nepal)との間で行われた。
  2. ネパールにおける農業は、国内総生産(GDP)の約4割を占め、就労人口の約60%が従事する基幹産業となっている。しかしながら、国土の約8割が山岳地帯であり、また農業基盤が未整備であることから、農業は天候の影響を受けやすく、生産性が低い状況にある。特に中山間地域を中心に食糧不足にあるため、中山間地域の生産振興は貧困対策としても重要である。
     このため、ネパール政府は、農業開発の20ヵ年計画(1995年から2014年)として「農業開発計画」を策定し、国民一人当たりの年間食糧生産量を277キログラムから426キログラムまで引き上げ、農業セクターの成長率を年率3%から5%に引き上げることを目標としている。
     このような状況の下、ネパール政府は、肥料による単収増加等による農業生産性の向上を図るため、必要な肥料の購入のための資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  3. ネパールにおいては、昨年4月の民主化運動に伴い下院が再開されて以降、政府がマオイスト(武装闘争を続けてきた反政府組織)との間で和平交渉を推し進め、昨年11月には、ネパール政府とマオイストの包括的和平合意が成立し、民主主義の定着と恒久的平和の実現に向けて、貧困削減のための国内経済の緊急的な立て直しが実施されているところである。本件の貧困農民支援の実施により、ネパール国内における農業生産の向上による貧困削減が期待される。

(参考)
  ネパール国は約14万7,000平方キロメートルの国土と約2,530万人の人口を有し、北はヒマラヤ山脈をはさんで中国と、南はタライ平原と呼ばれる東西に広がる平坦地でインドと国境を接する内陸国である。一人当たりのGDP(国内総生産)は約294ドルと発展段階の低い後発開発途上国であり、貧困削減が政府の最重要課題の一つである。

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