報道発表

スリランカにおける外国大使搭乗ヘリに対する砲撃の概要(追報)

平成19年2月28日
  1. 2月27日夕刻、荒木駐スリランカ大使がコロンボに戻ったことを受けて、今回の砲撃事件の状況等につき、在スリランカ大使館より以下のとおり連絡があった。

    (1)視察の目的、概要

     本件東部地域への視察は、スリランカ東部地域での国内避難民問題等に対応すべく現地のニーズを把握することを目的に、スリランカ政府災害管理・人権省の企画により、ドナー各国大使、国際機関関係者が招待されて実施された。同視察には、日、米、独、仏、伊の各国大使及びコロンボの国連事務所代表、ユニセフ事務所代表などの国際機関関係者、スリランカ政府よりはサマラシンハ災害管理・人権大臣等が参加した。

    (2)砲撃の概要

    (イ)視察団一行は23名乗りの大型ヘリコプター1機及び別の小型ヘリコプターにより(外交団及び災害管理・人権大臣は大型ヘリ、国際機関関係者及びスリランカ政府関係者が別の1機にそれぞれ分乗)、早朝コロンボを出発し、東部バティカロアに向かった。現地時間午前9時頃、大型ヘリがバティカロア空軍基地付近の警備地域に着陸した。

    (ロ)同地着陸後、ヘリコプターに搭乗していた視察団一行が順番に降機した際に、迫撃砲の初弾がヘリ付近に着弾した。これを受けて、ヘリコプターは危機を回避すべくまだ機内にいた仏大使他一部の関係者を乗せたまま上空へ退避し、荒木大使他既に地上に降り立っていた一行は直ちにスリランカ政府が用意していた近くの移動車両に向かった。その際、迫撃砲の第2弾が着弾したため、米、伊、独大使、災害管理・人権大臣等が軽傷を負った。移動車両に乗り込んだ一行は、更なる攻撃の危険を避けるために、直ちに現地の軍・警察関係事務所に避難した。

    (ハ)その後、地上の視察団一行は、当初の東部視察の日程を一部消化するとともに、他の視察日程を短縮して、安全上の観点より、政府軍の装甲車等で別の地域に移動し、同地域に待避していた残りの視察団と合流。現地時間午後3時45分、一行全員がコロンボに空路到着した。

  2. LTTEの反応
     タミル・イーラム解放の虎(LTTE)の報道機関であるタミル・ネットは、2月27日午後、LTTE報道官が国連職員に対し、今次砲撃により外交使節が負傷したことに遺憾の意を表すとともに、外交手続を経ることなくかかる軍事地帯に外交使節を招待したスリランカ政府の対応を非難する旨発言したと報じた。また、同報道官は、事件当時LTTEは政府軍による砲撃への反撃を行っていたが、外交使節の存在を確認した直後に砲撃を中止した旨述べ、LTTEが砲撃を実施したことを示唆する発言を行った。
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