2月7日、山口壽男駐イラク大使は、タラバーニー・イラク大統領(クルド)と大統領府で会談した。やりとり以下のとおり。
(1)新たなバグダッド治安計画の成功を希望する。これを基礎に公正な石油法の立法等、国民和解に向けた具体的な政治措置を実現する必要がある。タラバーニー大統領の指導力に期待している。
(2)我が国は最近北部クルド3県の渡航情報を見直したところであり、これが、将来我が国企業がイラクで活躍する足がかりになることを期待している。
(1)国民和解に向けては、まず政府の統一が強化されること、そのためには穏健派が団結することが必要である。その上で、スンニー派の不信感を克服する必要があるが、部分的には成果がある。政府はアル・カイダ以外のスンニー派の各勢力にも政治対話への参加を慫慂している。
(2)国民和解に関しては、自分は先般シリアに対して協力を要請し、先方の約束を得たところであるが、他のアラブ諸国も和解を支持するものと感じている。
(3)軍事面での作戦と国民和解は連携したものであり、双方で成果を挙げる必要がある。
(4)クルド3県の渡航情報見直しは極めて重要である。日本企業にはクルド地方でまず事業を始めた上で状況を見極めながら活動を南下させる方策をとっていただければ、両国にとって非常に有益な展開となろう。