2月7日、山口壽男駐イラク大使は、マーリキー・イラク首相と首相府において会談した。やりとり以下のとおり。
(1)我が国を始め国際社会はイラク情勢の成り行きを注視している。バグダッドで新たな治安計画が近く開始されると聞き及ぶが、これはマーリキー首相の治安改善に向けた強い決意の表れと認識している。
(2)重要なことは治安を維持した上で石油法、憲法改正、非バアス化政策の見直しなど政治課題の具体的な解決により国民和解につなげることである。マーリキー首相が今後とも決意をもって困難な課題に取り組むものと確信している。
(1)日・イラク関係は強固に維持されており、日本とイラクは視点を共有する国として強い絆を感じている。
(2)治安対策は政治課題の解決への道を開くとの認識の下、対応している。究極の目標は政治的な和解である。石油法については最近になり重要な進展があった。憲法、非バアス化の問題も議会を中心に議論が進みつつある。
(3)政治問題の解決と治安の確立には、経済復興が伴うことが必要である。民間セクターも含め、復興は常に中心課題である。
(4)治安問題の根幹は政治問題にあり、従来民主主義に同意してこなかった勢力も取り込んでゆく作業を続けている。政治対話の相手が政治への参加に信頼を置くことが何より大切である。これまでも幾つかの武装勢力がプロセスに参加する意図を表明してきており、よい兆候が出ている。
(5)バグダッド治安計画展開の暁には、これはスンニー派、シーア派に関わらず全ての不法集団を対象に実施する。一部には本件計画が特定の宗派に向けられることを懸念する向きがあるようだが、本計画は国家の枠組みで行われるものである。自分はこれを法執行と認識して実行する。