
人間の安全保障基金によるミャンマーにおける「国境地域におけるケシ栽培を停止した農民及び困窮者に対する支援」プロジェクト支援について
平成19年1月29日
- 我が国政府及び国連は、1月29日(月曜日)、世界食糧計画(WFP)、国連食糧農業機関(FAO)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)及び国連人口基金(UNFPA)がミャンマー連邦において実施する「国境地域におけるケシ栽培を停止した農民及び困窮者に対する支援」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、94万8200ドル(約1億525万円)の支援を行うことを決定した。
- 数十年にわたりケシの栽培が唯一の生計手段であったシャン州の元ケシ栽培農家は、ミャンマー政府及び地方当局によりケシ栽培が禁止された結果、ケシに代わる収入源と支援を失ったことにより、深刻な貧困と食糧不足に見舞われている。本プロジェクトは同州の元ケシ栽培農家及び困窮家庭の社会経済的な状況改善を目指すものである。主な活動は以下の通り。
(1)困窮家庭の食糧確保を助けるために、フード・フォー・ワーク及びフード・フォー・トレーニング事業を実施する。
(2)食糧の生産量と生産性の向上のため、代替作物及び効果的な農業技術を導入する。
(3)農業及び商業の技術訓練を通じ、収入増進を図る。
(4)校舎の修復と小学校の就学率を改善するためにフード・フォー・エデュケーション事業を実施すること。
(5)成人及び青年期の女性のために非正規教育の機会を増やすとともに、識字教育を通じた能力強化を図ること。
(6)保健・衛生、HIV/エイズ及びジェンダーに関する意識の向上を図ること。
- 本プロジェクトの実施により、シャン州における元ケシ栽培農家のケシ栽培から代替生計への移行が促進されるとともに、持続的な開発が確保されることが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の160件以上のプロジェクトを支援してきている。