報道発表

人間の安全保障基金によるカザフスタンにおける「セミパラチンスク元核実験場における人間の安全保障の推進」プロジェクト支援について

平成19年1月10日
  1. 我が国政府及び国連は、12月20日(水曜日)、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)及び国連人口基金(UNFPA)がカザフスタン共和国において実施する「セミパラチンスク元核実験場における人間の安全保障の推進」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、203万3,661ドル(約2億2,980万円)の支援を行うことを決定した。
  2. 長年旧ソ連の核実験場が存在したセミパラチンスクは1991年の核実験場の閉鎖に伴い、不安定な経済、教育と保健衛生サービスの低下、及び財政の縮小等の困難な問題に直面してきた。本プロジェクトは、セミパラチンスクの住民や地域社会に対して基礎的な医療サービスへのアクセス改善、最低限の生活水準の確保及び地域の能力強化をはかることを目的とするものである。主な活動は以下の通り。

    (1)妊産婦、新生児及び小児のための医療知識や技能を保健員に伝授することによりその能力を高めること。

    (2)質の高い社会サービスと教育を提供するための訓練を通じて地方政府とNGOの能力強化を図ること。

    (3)収入及び就業機会を創出するために、技能・技術訓練を通じた地元起業家の能力と商業技能の向上を図ること。

    (4)貧しい地域で小規模事業を確実に立ち上げ軌道に乗せるための少額融資の利便性を向上させること。

    (5)地域社会のニーズを満たし、社会サービスを提供するために、NGOに対する少額の資金供与を行うこと。

  3. 本事業がセミパラチンスクにおける人々の生活と地域社会の持続的な回復に資することが期待される。

(参考)
 人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約335億円(約2億9,774万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の160件以上のプロジェクトを支援してきている。

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