
ミャンマーの「第七次母子保健サービス改善計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成18年11月22日
- 我が国政府は、ミャンマー連邦における「第七次母子保健サービス改善計画(the project for Improvement of Maternal and Child Health Care Services (PhaseVII) in the Union of Myanmar)」の実施に資することを目的として、ユニセフ(国連児童基金)に対し、総額3億1,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡交換が、11月22日(水曜日)、ヤンゴンにおいて、我が方小田野展丈駐ミャンマー連邦大使と先方ラメシュ・シュレスタ・ユニセフ・ミャンマー代表(Mr. Ramesh Shrestha, Representative, United Nations Children's Fond (UNICEF), Union of Myanmar)との間で行われた。
- ミャンマーでは、多くの公的保健機関で必要な医療機材やスタッフが不足しており、医療サービスは限定的なものにとどまっている。また、医療サービスを受けることが可能な人口は全国民の65%に過ぎず、特に農山村地域では地理的な孤立、通信手段の欠如、資金不足等のため医療サービスは劣悪で、妊産婦の約2割は全くサービスが受けられない状況にある。このため、ミャンマーでは毎年約142万人生まれる新生児のうち9万人以上が1歳未満で死亡し、さらに、12万人以上の乳幼児(5歳未満)が死亡しており、東南アジアで最も支援が必要な国の一つとなっている。死亡原因の8割は急性呼吸器疾患、脳感染症、下痢、未熟児出産、敗血症及びマラリアが占めている。
このような状況のもと、ユニセフは「第七次母子保健サービス改善計画」を実施するために必要なワクチン(麻疹ワクチン)、医薬品(基礎医薬品、抗マラリア剤)、機材(コールドチェーン、HIV/AIDS予防関連機材)及びそれらの調達に関連する役務の供与に必要な資金につき、我が国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。我が国は、1998年以降六次にわたり同様の支援をユニセフを通じて実施し、劣悪な保健医療状況の改善に貢献してきているが、特にワクチンは最も基本的かつ予防効果に優れており、継続した接種が必要となっている。また、この計画に必要な資金は全額ユニセフに供与され、同機関が機材調達、配布、モニタリング等全ての活動を実施する。
- この計画がユニセフにより実施されることにより、ミャンマーにおける保健医療サービスの質が向上し、新生児、乳幼児および妊産婦の死亡率の低減に寄与するとともに、貧困層に対する医療サービスの普及が期待される。
(参考)ミャンマー連邦は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、国土面積68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)、人口5,217万人(2002年)、国民一人あたりのGDP(国内総生産)107ドル(2005年推定)の後発開発途上国である。