人間の安全保障基金による「ペルー山岳地域における女性・子どもの発展のための人間の安全保障」プロジェクト支援について
平成18年11月20日
- 我が国政府及び国連は、11月20日(月曜日)、世界保健機関(WHO)/PAHO(汎米州保健機構)、国連児童基金(UNICEF)及び国連人口基金(UNFPA)がペルー共和国において実施する「ペルー山岳地域における女性・子どもの発展のための人間の安全保障」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、206万2344ドル(約2億3,304万円)の支援を行うことを決定した。
- ペルーのアンデス山岳地帯にあるアヤクチョ及びアプリマック両県では貧困の割合が78%の高率となっている。貧困は乳児や妊婦の死亡率を引き上げ、慢性的な栄養失調は健全な妊娠と子どもの発育を阻害している。このプロジェクトはこれらの県の弱い立場にある人々のために、妊婦の健康、幼児期の発育及び基礎教育の改善に取り組むものである。主な活動は以下の通り。
(1)栄養、産婦人科の処置及びリプロダクティブ・ヘルス等に関する知識の向上のための訓練を通じた医療従事者の能力強化。
(2)保健員の訓練と住民に対する栄養、リプロダクティブ・ヘルス、妊産期ケア及び幼児期の保健に関する広報活動を通じた地域社会の保健体制の強化。
(3)妊婦と3歳以下の幼児の栄養失調を減らすために、保健員の訓練と基礎的な機材の供与を通じた保健センターの機能強化。
(4)就学前の児童と低学年児童を対象にした質の高い教育の提供。
(5)地域政府と政策決定者を対象とした子どもと女性に資する政策の立案と施行のための能力強化。
- 本事業がペルーの子どもと女性の能力強化に寄与するとともに、その福祉と健康の増進に資することが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約315億円(約2億7,973万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の160件以上のプロジェクトを支援してきている。