人間の安全保障基金によるレバノンにおける「地雷により影響を受けたコミュニティの社会的・経済的エンパワメント:地雷と不発弾の脅威除去及び社会復興の促進」プロジェクト支援について
平成18年8月31日
- 我が国政府及び国連は、8月31日(木曜日)、国連地雷対策サービス部(UNMAS)と国連開発計画(UNDP)がレバノン共和国において実施する「地雷により影響を受けたコミュニティの社会的・経済的エンパワメント:地雷と不発弾の脅威除去及び社会復興の促進」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、199万2,100ドル(約2億2,510万円)の支援を行うことを決定した。
- この決定は、同日、スウェーデン主催のレバノン国際支援国会議において、我が国の代表として出席した金田勝年(かねだ・かつとし)副大臣からも表明された。我が国政府としては、今回のレバノン情勢を踏まえ、レバノンの安定が、和平の実現と地域の安定に不可欠であるとの認識に基づき、できる限りの支援を行っていくことを検討しており、本事業の実施もその一環である。
- レバノン南部のコミュニティに埋設・残存されている多数の地雷と不発弾は下腿切断者を生み出し、人々の生存、生活、尊厳に対する脅威となってきた。地雷等の存在は物理的な脅威をもたらすのみならず、人々の移動の自由をも制約してきた。本プロジェクトはレバノン南部のコミュニティにおいてこれらの脅威に対処するため、社会経済復興活動を含む包括的な対策を講じるものである。主な活動は以下の通り。
(1)地雷と不発弾の除去を行うために地元の地雷除去要員を雇用、訓練の上、対象地域に派遣する。こうした活動を通じて、人々の能力強化を図るとともに、除去活動に対するコミュニティのオーナーシップの養成を図る。
(2)ワークショップへの参加を通じて地域の利害関係者間の対話を構築する。こうした活動を通じて、活動の優先順位付けや地雷除去後に実施する活動について地域内のコンセンサスを形成し、もって事業効果の最大化を図る。
(3)コミュニティ主導で実施する様々なワークショップや訓練活動により、対象地域の生活改善が図れるように支援する。こうした活動により、地雷除去後のコミュニティの安定した基盤を構築する。
- 本事業の実施により、南部レバノンのコミュニティの復興と安定に資することが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約315億円(約2億7,973万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の160件以上のプロジェクトを支援してきている。