(1)被害状況:5月27日午前5時54分(日本時間午前7時54分)、インドネシアのジャワ島中部のジョグ・ジャカルタ市沖合において発生した地震(マグニチュード6.2)により以下のとおりの被害が生じた。(6月28日現在社会省発表)
イ)死者:5,776名
ロ)負傷者数:38,814名
ハ)避難民:2,130,549名
ニ)被災家屋:606,684戸
ホ)その他特記事項:ジョグジャカルタ特別州南部に位置するバントゥール県を中心に物的被害が甚大。国連(UNOCHA)によればバントゥール県の7 0~80%の住居が倒壊したとされている。
(2)これまで我が国が実施した支援(緊急無償資金協力)について
イ)インドネシア政府に対する緊急無償資金協力
被災民向けの物資購入に必要な緊急無償(400万ドル:約4億4,400万円)をインドネシア政府(国家災害対策調整委員会が中心)に対して実施。
ロ)国際機関経由の緊急無償資金協力
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)に対し、緊急無償(100万ドル:約1億1,100万円)を実施。
(3)我が国を初めとする各国の緊急支援により、災害直後の緊急フェーズは脱し、現在、復旧・復興フェーズに移行してきており、このような状況の下、インドネシア政府は、ジャワ中部地震災害から復旧・復興するために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(4)我が国は本要請に対し、今年度より開始された新スキーム「防災・災害復興支援無償」を活用し、迅速な支援を実施することとした。(グアテマラ熱帯低気圧「スタン災害」とともに、本スキーム適用第一号案件)
(1)位置:ジョグジャカルタ特別州バントゥ-ル県
(2)内容:小学校2校及び中学校7校の整備:保健センター5か所(基礎医療機器の機材支援も含む)の整備
ジョグジャカルタ特別州バントゥール県教育局及び保健局
1)直接効果
a)地震被害が最も甚大であったバントゥ-ル県から要請のあった小中学校のうち、小学校2校(12教室)、中学校7校(99教室)を整備することにより、4,440人の生徒に対して、安全で適切な教育の機会を与えることができる。
b)地震の被害が最も甚大であったバントゥール県から要請のあったジェティス郡・セウォン郡、プレレット郡、イモギリ郡の保健センター5箇所を整備することにより、22万人以上(4郡)の住民に対して基礎的な医療・保健サービスの機会が提供され、住民の健康を向上させることができる。
2)間接効果
a)緊急無償資金協力によりテント等を支援した学校に対して、技術協力分野により教育行政の改善やリハビリ・トラウマケア等の支援を実施するともに、今回の支援により校舎再建することにより、切れ目ない支援が可能となり、個々の支援効果が向上することが期待できる。
b)地域の防災拠点である小中学校を整備することにより、災害時の安全な避難場所を確保することができるとともに、緊急医療の拠点となる保健センターを整備することにより、今後災害が発生した場合の減災に資することが期待できる。
(参考)
インドネシアは、面積約190万5,000平方キロ、人口2億2,260万人(2004年)、人口1人当たりのGNI(国民総所得)約971米ドル(2003年)である。