報道発表

イラク(ムサンナー県)における草の根・人間の安全保障無償資金協力について

平成18年7月5日
  1. 昨年、我が国が草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を決定したムサンナー県サマーワ市中心部の「サマーワ散歩道計画」の一環として、「コルニッシュ通り」及び「サマーワ女子校前通り」の基礎的インフラ整備事業(道路・歩道、街灯及び排水設備)がほぼ完工したこと、また、同市中心部の電力不足解消を目的とした「コルニッシュ通り発電機整備計画」において調達した発電機が運転開始したことを受け、7月5日(水曜日)、サマーワ市において供与式が行われた。式典には、イラク側よりムサンナー県等の関係者、我が国よりサマーワ外務省事務所及び陸自イラク復興支援群の関係者が出席した。

    (1)「コルニッシュ通り整備計画(サマーワ散歩道計画)」(約5,550万円)
    (2)「サマーワ女子校前通り整備計画(サマーワ散歩道計画)」(約5,680万円)
    (3)「コルニッシュ通り発電機整備計画」(約9,460万円)

  2. 「コルニッシュ通り整備計画」及び「サマーワ女子校前通り整備計画」
     サマーワ市中心部は、ユーフラテス河畔に位置しており多くの市民が行き交う憩いの場所として重要な役割を果たしている。しかしながら、シーア派が多数を占めることによるフセイン政権下の圧政や湾岸戦争後の経済制裁等のため、市民生活に不可欠な基礎的インフラの状態が極めて劣悪な状況にあり、コルニッシュ通り及びサマーワ女子校前通りにおいても道路の老朽化や冠水、街灯設備の機能不全等により市民生活に悪影響を及ぼしている。
     「サマーワ散歩道計画」は、このようにインフラ整備が取り残されたムサンナー県サマーワ市において、政治・経済及び文化の中心にあるコルニッシュ通り及びサマーワ女子校前通りの基礎的インフラを総合的に整備するものである。
     この計画の実施により、同市中心部の目抜き通りが整備され、通り沿いに住む住民や商店街及び市場を利用するサマーワ市民25万人に対して、民生の安定や治安の向上に資することが期待される。
  3. 「コルニッシュ通り発電機整備計画」
     イラク全土で電力が不足している中で、県内に発電所がなく他県から電力が供給されているムサンナー県のサマーワ市では、恒常的に停電が発生し住民生活は大きな打撃を受けている。サマーワ市中心部のコルニッシュ通り周辺部は、商店や住宅が密集しているほか、小学校や上下水道ポンプといった生活に欠かせない施設が存在しており、停電によってこれらの施設が機能しなくなることにより地域社会に極めて深刻な影響を与えている。
     「コルニッシュ通り発電機整備計画」は、このようにサマーワ市中心部のコルニッシュ通り周辺地区の慢性的な電力不足に対処することを目的に、発電機(1,250キロボルトアンペア)3台及び変圧器3台を供与するものである。
     この計画の実施により、コルニッシュ通り周辺部における住宅1,000世帯、小学校3校及び下水道ポンプに対して電力を安定的に供給することが可能となり、地域社会の民生の安定に資することが期待される。
  4. 今回の供与式において、イラク側出席者から日本政府からの支援に対し感謝の意が表された。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る