
イラク(サマーワを含むムサンナー県)における草の根・人間の安全保障無償資金協力の実施について
平成18年7月3日
- 我が国政府は、フランスのNGO(非政府組織)・アクテッド(ACTED, Agency for Cooperation and Technical Development)に対し、「ムサンナー県安全な水へのアクセス改善計画(第5次)」の実施のため、総額53万7,000ドル(約5,960万円)の草の根・人間の安全保障無償資金協力を行うことを決定した。
- アクテッドは、ムサンナー県の中でも給水施設が特に脆弱な地域に対し、給水車による給水活動を実施している。しかしながら、資金不足からこの活動を実施することが困難になりつつあるため、現地のニーズを踏まえた上で、我が国政府に対し活動を継続する上で必要な資金につき支援を要請してきたものである。
- ムサンナー県はシーア派住民が多数を占めることによるサダム政権下の圧政や湾岸戦争後の経済制裁等により、インフラ整備が取り残されており、特に上水道の整備は極めて遅れている。
このため、ムサンナー県の給水量は需要を大きく下回り、地方に住む住民の多くは河川や灌漑の表流水、或いは塩分濃度の高い地下水の利用を強いられており、多くの健康問題が生じている。
このように、安定した飲料水の供給はムサンナー県にとって最大の課題の一つであり、我が国は、これまで、草の根・人間の安全保障無償資金協力において、ムサンナー県水道局に浄水器6台、給水車38台、給水タンク304基等の供与を決定している。
- この計画の実施により、同県の中心都市であるサマーワ市南部、ムサンナー県郊外の住民約8万8千人に対して衛生上安全な水を供給することが可能となり、同計画を通じて同地域住民の民生の安定が期待される。
- 我が国は、ACTEDの同様の活動に対し、草の根・人間の安全保障無償資金協力「ムサンナー県安全な水へのアクセス改善計画」において、一昨年4月から支援をしており、本計画はこれを継続するものである。