
東ティモールにおける「ディリ港改修計画」に対する無償資金協力について
平成18年5月18日
- わが国政府は、東ティモール民主共和国政府に対し、「ディリ港改修計画」(the Project for the Rehabilitation of Dili Port)の実施に資することを目的として、9億2200万円(平成18年度1億9600万円、平成19年度3億6500万円、平成20年度3億6100万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月18日(木曜日)、ディリにおいて、わが方清水健司駐東ティモール国大使と先方ジョゼ・ラモス・ホルタ外務・協力上級相(H. E. Dr. Jose Ramos-Horta, Senior Minister for Foreign Affairs and Cooperation of the Democratic Republic of Timor-Leste)との間で行われた。
- 東ティモールは2002年5月に独立した後、「国家開発計画」を策定し、国際社会による支援のもとで国造りを行っているが、ディリ港は、首都ディリに位置する東ティモール唯一の国際港湾であり、生活物資の85%を輸入に依存する同国にとって物流の重要な拠点となっている。しかし、近年は老朽化や塩害によって埠頭桟橋の床版の陥没や梁の破損が生じているため、大型船舶の同時碇泊が1隻に限られるとともに荷役の効率や安全性が低下し、本来の機能が果たせない状況にある。ディリ港の機能低下は、東ティモールの経済発展や国民生活向上の阻害要因となっている。
このような状況の下、東ティモール政府は、ディリ港の既存埠頭を改修するために必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、以下の効果が期待される。
- 荷役の効率が向上し、物流コストが低減される。
- 埠頭桟橋の強度増加と面積拡張により、荷役作業の安全性が向上される。
- 港湾機能の増強により、輸出入の増加や産業立地の促進が図られる。
- 主要輸出品目である農作物の迅速な輸出が可能となるため、農業の活性化が促
進される。
(参考)
東ティモール(面積:約1万4,000平方キロ(岩手県程度)、人口:約92万5,000人(2004年)、人口1人当たりのGNI(国民総所得):約388米ドル(2003年))