
イラク(ムサンナー県)における草の根・人間の安全保障無償資金協力について
平成18年4月18日
- わが国が昨年6月に草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を決定したムサンナー県スウェイル(サマーワの東約15キロメートル)の北側に位置するムタワグ・アル・チバシ道路の一部(約6.7キロメートル)の改修工事が完了したことを受けて、4月18日(水曜日)、現地ムタワグ橋において竣工式が行われ、イラク側よりムサンナー県およびスウェイル町市関係者、わが国よりサマーワ外務省事務所および陸上自衛隊の関係者が出席した。
- ムサンナー県は、旧政権下の圧政やイランとの戦争による経済的疲弊、湾岸戦争後の経済制裁等により、イラク国内の中でも特に基礎的インフラの整備が遅れていたことから、道路・橋梁事情が極めて劣悪であり、住民の日常生活に直結する給水車の通行や、緊急時の救急車両の通行にも支障を来しているほか、児童の通学のための道路整備も不十分な状況である。
- ムサンナー県のスウェイル(サマーワの東約15キロメートル)の北側に位置するムタワグ・アル・チバシ道路は、道路周辺地域住民約44,000人の生活道路として利用されているが、その大部分が単に簡易に盛土しただけの粗末な仕様であるため、周辺地区における給水、医療、教育等の最低限の生活水準の維持や生活用品・食糧品の運搬等の経済社会活動に極めて深刻な影響をもたらしている。
- このような状況を改善するために、ムタワグ・アル・チバシ道路の中央部にあるムタワグ橋の修復を陸上自衛隊が行い、今回の支援は、本道路のアスファルト舗装を行うための資金協力(総額70万6,000ドル(約7,500万円))をムサンナー県道路・橋梁局に対して行ったものである。
- 今回の竣工式において、イラク側出席者から日本の支援に対し、地域の生活道路がより使いやすいものとなった等の感謝の意が表された。
(参考)
案件名:ムサンナー県ムタワグ・アル・チバシ道路改修計画
被供与団体:ムサンナー県道路・橋梁局
供与限度額:75,542,000円(706,000米ドル)
案件概要:ムタワグ・アル・チバシ道路(6.7キロメートル)の整備(農業用水路にかかる12メートルの橋を含む)に係る経費を供与するもの。
G/C署名日:2005年7月9日