報道発表

ナイジェリアの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について

平成17年8月19日
  1. わが国政府は、ナイジェリア連邦共和国における「小児感染症予防計画」(the Project for Infectious Disease Prevention for Children)の実施に資することを目的として、国連児童基金(ユニセフ)に対し、5億8,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月19日(金曜日)、アブジャにおいて、わが方田中映男駐ナイジェリア国大使と先方バーバラ・レイノルズ駐ナイジェリア・ユニセフ事務所臨時代理代表(Dr. Barbara Reynolds, UNICEF Representative a. i. to the Federal Republic of Nigeria)との間で行われた。
  2. ナイジェリアの保健指標は改善傾向にあるものの、出生1000に対し乳児死亡率は100、幼児死亡率は201と依然深刻な状況にあり、その主な死亡原因は感染症である。マラリアは、5歳未満児の死亡原因の第1位であり、地域によっては1歳未満児の死亡原因の半数を占めている。ポリオについては、ナイジェリアは、世界第1位のポリオ野生株発生国であり、2004年は792件が報告された。また麻疹は、ナイジェリアの子どもの主要な死亡原因の1つであるが、予防接種率はわずか25%に過ぎないのが現状である。この状況を改善するため、ナイジェリア政府は、蚊帳の普及を含むマラリア対策や、ポリオワクチン全国一斉投与(NID)、全国麻疹予防接種を計画している。しかしながら、蚊帳やワクチンの不足と共に、予防接種で用いるコールドチェーン機材は老朽化や故障がみられ、予防接種の再活性化のためにその更新が必要となっている。
     このような状況の下、ナイジェリア政府およびユニセフは、マラリア対策の蚊帳、NIDと麻疹予防接種の実施に必要なワクチンおよび予防接種強化に必要なコールドチェーンの調達等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  3. この計画の実施により、5歳未満児や妊産婦のために蚊帳30万帳が供与され、マラリア対策に資する。また、ポリオ・ワクチン430万回分、麻疹ワクチン350万回分が供与されるとともに、老朽化していた既存コールドチェーン機材の更新等により予防接種の地方部へのきめ細やかな実施が可能になることで、子どもたちの健康状態の改善が期待される。
  4. なお、今回の協力は、世界からポリオを撲滅するためわが国が表明した約8,000万ドルの支援、および、アフリカにおけるマラリア対策のためにわが国が表明した1,000万帳の蚊帳の供与を具体化するものである。また、2003年に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。

(参考)
ナイジェリアは西アフリカに位置する人口約1億3,560万人であり、1人あたりGNI(国民総所得)は350ドルである。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る