報道発表

モーリタニアの「南部地方飲料水供給計画(第2期)」他一件に対する無償資金協力について

平成17年7月11日
  1. わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「南部地方飲料水供給計画(第2期)」および「ヌアクショット・ヌアディヴ小中学校建設計画(第1期)」の実施に資することを目的として、総額12億7,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月11日(月曜日)、東京において、わが方まちむら のぶたか外務大臣と先方モハメッド・ヴァル・ウルドゥ・ベラル外務・協力大臣(Son Excellence Monsieur Mohamed Vall Ould Bellal, Ministre des Affaires Etrangeres et de la Cooperation)との間で行われた。

(1)「南部地方飲料水供給計画(第2期)」(Le projet d'approvisionnement en eau potable dans la region australe
3億2,700万円

(2)「ヌアクショット・ヌアディヴ小中学校建設計画(第1期)」(Le projet de construction de salles de classe des enseignements fondamental et secondaire de base dans les villes de Nouakchott et Nouadhibou
9億5,000万円

  1. (1)「南部地方飲料水供給計画(第2期)」
     モーリタニアは、国土の3分の2がサハラ砂漠に覆われ、度重なる干ばつのため慢性的な水不足の状態にある。特に、地方の住民は水質の悪い浅井戸、沼、雨水等から飲料水を確保しているが、これによりギニアウォーム等の寄生虫、下痢等の水因性による病気が引き起こされており、当国における乳幼児の死亡率および罹患率の高さの一因になっている。また、村落部の女性、子供は飲料水を求めて遠隔地まで水汲みをする生活を強いられており、彼らにとって過酷な労働であるばかりでなく、教育を受ける機会を奪うことにつながっている。
     こうした状況の下、モーリタニア政府は、同国でも特に給水率が低いアッサバ州およびホドエルガルビ州において、給水施設を建設するために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     本計画の実施により、アッサバ州およびホドエルガルビ州の47村落において、足踏み式ポンプ付深井戸および給水施設(レベル1:計40村落)、動力ポンプ付深井戸および高架水槽を含む給水施設(レベル2:計7村落)が建設され、給水人口が約2万人増加することが期待される。第2期では、ホドエルガルビ州の25村落におけるレベル1の施設およびホドエルガルビ州の1村落におけるレベル2の施設の建設が対象となる。

    (2)「ヌアクショット・ヌアディヴ小中学校建設計画(第1期)」
     モーリタニア政府は、1975年から2000年にかけて第一次~第五次教育計画を順次策定し、特に基礎教育インフラ整備に重点を置いた取り組みを進めてきた。その結果、初等・中等教育の就学率は大幅に改善したが、この就学率の向上は、年平均2.6%という高い人口増加率と相俟って小中学校の就学人口の急増をもたらした。特に、地方からの人口流入が著しい首都ヌアクショットと、第二の都市ヌアディヴでは、教室建設が追いつかず、1教室当たりの生徒数が全国平均の44人に対して70人以上となっている。
     このような状況の下、モーリタニア政府は、ヌアクショットおよびヌアディヴにおいて、老朽化が著しい教室や仮設教室の建て替え等を行うために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     本計画の実施により、ヌアクショットおよびヌアディヴにおいて、計57校368教室が建設されるとともに、机・椅子等の機材が整備され、小中学校における過密状況の緩和および学習環境の改善に貢献することが期待される。第1期では、ヌアクショットの小学校17校および中学校6校が対象となる。
  2. なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環として実施されるものである。

(参考)モーリタニアは西アフリカ地域に位置し、総人口が290万人(2003年)で、一人当たりGNI(国民総所得)が410米ドル(2001年)である。

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