報道発表

イラク(ムサンナー県)における草の根・人間の安全保障無償資金協力について

平成17年7月7日
  1. わが国政府は、イラク南部のムサンナー県サマーワ市における草の根・人間の安全保障無償資金協力として、サマーワ市アスファルト舗装機材整備計画の実施を決定した。また、昨年草の根・人間の安全保障無償資金協力の実施を決定したマジッド郡内道路およびアルブ・ギダール道路の改修工事が完了した。これらを受け、本7日にサマーワ自衛隊宿営地において、サマーワ市民生局長代行、マジッド郡民生局長、ムサンナー県道路橋梁局長等の出席のもと贈与契約書署名式および竣工式が行われた。
     具体的な支援内容は以下のとおり。
(1)今回支援決定分
サマーワ市アスファルト舗装機材整備計画:93万0,000ドル(約9,950万円)
 (The Project for Provision of Equipment for Asphalt Pavement in Al-Samawah
 ムサンナー県の中心都市であるサマーワ市は、イラク南部の主要幹線道路である国道8号線が通っているため、交通量が多く、道路損傷が激しい。しかし、サマーワ市民生局にはこれら破損した道路の改修・舗装を長期にわたって実施するために必要な道路建機等が不足しており、道路改修・舗装が遅れ、交通渋滞などの原因となっている。
 今回の支援によるアスファルト舗装機材の整備により、サマーワ市民生局が道路のアスファルト舗装を長期にわたって実施することができ、サマーワ市内の道路の改修・舗装が加速されることが期待される。
(2)改修工事完了分(2件)
1)マジッド郡内道路改修計画:20万5,628ドル(約2,260万円)
 (The Project for Rehabilitation of Roads in Al-Majid)
 マジッド郡(サマーワの北西約8キロメートル)には、約35,000人の住民が生活しているが、その生活道路の多くが未舗装である等粗末な仕様であったため、雨季には救急車、給水車を含む車両や通学児童等の住民の通行が困難となり、周辺地区における給水、医療、教育等の最低限の生活水準の維持や生活用品・食料品の運搬等の経済社会活動に極めて深刻な影響をもたらしていた。
 今回の支援により、マジッド郡中心部の道路のうち、もっとも状況が深刻な道路(計1.26キロメートル)が改修され、マジッド郡民の生活改善、地域社会の厚生と安定が図られることが期待される。
2)ムサンナー県アルブ・ギダール道路改修計画:59万1,500ドル(約6,510万円)
 (The Project for Repair of Albu Khder in Al-Muthanna)
 ムサンナー県のワルカ郡(サマーワの北約17キロメートル)とルメイサ市(サマーワの北西約25キロメートル)とを結ぶアルブ・ギダール道路は、周辺地域住民約20万人の生活道路として利用されているが、この大部分が未舗装である等粗末な仕様であったため、雨季には救急車、給水車を含む車両や通学児童等の住民の通行が困難となり、周辺地区における給水、医療、教育等の最低限の生活水準の維持や生活用品・食料品の運搬等の経済社会活動に極めて深刻な影響をもたらしていた。
 今回の支援により、アルブ・ギダール道路の一部(計6.5キロメートル)が改修され、周辺住民の生活改善、地域社会の厚生と安定が図られることが期待される。
  1. ムサンナー県は、旧政権下の圧制や、イランとの戦争による経済的疲弊、湾岸戦争後の経済制裁等により、イラク国内でも特に基礎的インフラの整備が遅れていることから、道路・橋梁事情は劣悪である。このような状況から、住民の日常生活に直結する給水車の通行や、緊急時の救急車両の通行にも支障をきたしているほか、児童の通学のための道路整備も不十分な状況である。今回の一連の支援により、ムサンナー県の道路交通事情が改善され、地域住民に対する給水、医療、教育等の行政サービスの向上が図られることが期待される。
このページのトップへ戻る
目次へ戻る