
イラク(ムサンナー県)における草の根・人間の安全保障無償資金協力について
平成17年6月15日
- 昨年、わが国が草の根・人間の安全保障無償資金協力によってイラク・ムサンナー県に対する支援を決定した発電機(750kVA)4台のサマーワ市内ザハラ地区への設置が完了したことを受け、6月15日(水曜日)、現地において関係者による完成式典が行われた。
- また、イラク南部のムサンナー県サマーワ市中心部のコルニッシュ通り周辺地区の慢性的な電力不足に対処することを目的に、ムサンナー県電力局に対して、発電機(1,250kVA)3台および変圧器3台の調達に必要となる総額約88万4千ドル(約9,464万円)の草の根・人間の安全保障無償資金協力を行うことを決定し、6月15日(水曜日)、現地において贈与契約を締結した。
- イラク全土で電力が不足している中で、県内に発電所がなく他県から電力が供給されているムサンナー県のサマーワ市では恒常的に毎日10時間程度の停電が発生しており、住民生活は大きな打撃を受けている。特にサマーワ市北部のザハラ地区は、停電時に稼働する発電機が設置されていないため、地区内の集合住宅に居住する住民は日常生活に支障をきたし、同地区内の小学校や水道ポンプも本来の機能を発揮できない状況にある。また、サマーワ市中心部のコルニッシュ通り周辺部は、商店や住宅が密集しているほか、小学校や上下水道ポンプといった生活に欠かせない施設が存在しており、停電によってこれらの施設が機能しなくなることにより地域社会に極めて深刻な影響を与えている。
- これらの協力の実施により、ザハラ地区における集合住宅500世帯、小学校および水道ポンプ、コルニッシュ通り周辺部における住宅1,000世帯、小学校3校および下水道ポンプに対して電力を安定的に供給することが可能となり、地域社会の民生の安定に資することが期待される。