談話

平成25年7月4日
  1.  我が国は、エジプトにおいて、6月末以降死傷者を伴う大規模なデモが発生し、7月4日未明(日本時間)には,エルシーシー・エジプト国防大臣が,憲法の一時的な停止,大統領選挙の早期実施,最高憲法裁判所長官による暫定政権の樹立などを内容とする声明を発表する事態に至るなど、エジプト情勢は引き続き予断を許さないものと認識しており、事態の推移を強い関心と懸念をもって注視しています。

  2.  我が国は,全ての当事者に対し,暴力を行使せず,最大限の自制と責任ある行動を呼びかけます。同時に,情勢が早期に安定し,エジプト政府が経済・社会面での課題克服に取り組めるよう、諸勢力が民主的な手続きの下で国民和解を進展させ、真摯に協力していくことを期待します。

  3.  また,これまでのところ,在留邦人に被害等が出たとの情報はありませんが,外務省としては,7月3日に,エジプト国内において,従来「十分注意してください。」としていた地域を「渡航の是非を検討してください。」に引き上げました。また,在エジプト大使館から随時情報提供及び在留邦人に対して注意喚起を行う等,邦人の安全確保に最大限努めているところであり,引き続き万全を期していく所存です。

(参考)
 ムルスィー大統領の就任1周年を迎えた6月30日,大統領支持派と反大統領派が全土で大規模なデモを実施,双方は断続的に衝突,多くの負傷者と若干の死者が発生。 7月3日未明(日本時間),エルシーシー国防大臣が演説を行い,(1)憲法の停止,(2)大統領選挙の早期実施,(3)新たな大統領選出までの間,最高憲法裁判所長官による暫定政権の樹立,(4)憲法修正委員会の設置,等を内容とする声明を発表。


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