談話
ケニアの総選挙について(外務大臣談話)
- 今般、ケニアで新憲法制定後初めての総選挙が平和裡に行われたことに対し、ケニア政府及び国民に対し祝意を表明します。
- 我が国は、選挙の投開票が概ね平和裡に実施されたこと、また、選挙結果が憲法上の手続きに基づき最終確定したことを高く評価します。また、ウフル・ケニヤッタ次期大統領をはじめ、今次総選挙において当選した候補者へ祝意を表明するとともに、ライラ・オディンガ候補が最高裁判所の裁定を受け入れたことを評価します。
- 我が国は、今後、次期大統領の下でケニア政府が新憲法に規定された地方分権や立法・司法の権限強化等の改革を実行に移すことで、政治的・経済的・社会的発展を更に推進することを期待します。また次期大統領自らが表明するとおり、国民和解を進めるとともに種々の国際的義務を履行すること、そして、ケニアが引き続き地域の安定に貢献することを期待します。
- 我が国は、ケニアのこうした努力を引き続き支援し、伝統的友好・協力関係を更に発展させていく考えです。
(参考)
1. 3月4日(月)、2010年8月に公布された新憲法下で初めての総選挙が実施され、大統領選挙、上下院議員選挙、下院女性代表選挙、郡知事選挙、郡議会議員選挙、の6つの選挙が同時に実施された。
2. 大統領選挙は、主にケニヤッタ候補(現副首相、キクユ族)とオディンガ候補(現首相、ルオ族)の両陣営間で争われた。3月9日(土)、独立選挙・区割委員会(IEBC)は大統領選挙の正式結果として、ケニヤッタ候補が50.07%の得票率で当選したことを発表した。
3. 3月16日(土)、対抗馬のオディンガ候補は、選挙プロセスに不正があったとし、最高裁判所に異議申し立てを申請し、3月30日(土)に、最高裁判所により、異議申し立が却下されたことを受け、ケニヤッタ候補の当選が確定した。
4. 前回2007年末の総選挙では、オディンガ現首相が率いる野党側が集計作業のやり直しを訴
え、部族対立もあいまって国内各地で混乱が発生した(死者1100人以上、国内避難民50万人以上発生)。今回の総選挙は、自由、公正かつ平和裡な選挙が行われるかが注目点であったが、4日の投票日においては、使用機器の不備等もあって多少の混乱が生じたり、沿岸部で投票開始前に投票所が襲撃される事件が発生したりしたが、選挙は概ね平和裡に実施された。
5. 大統領選挙における主な候補者の得票率
大統領候補者名(連合名) 得票数 得票率
ウフル・ケニヤッタ候補(Jubilee Alliance) 6,173,433 50.07%
ライラ・オディンガ候補(Cord Alliance) 5,340,546 43.31%
ムサリア・ムダバディ候補(Amani Alliance) 483,981 3.93%
(登録有権者数14,352,533票に対して投票率86%)