寄稿・インタビュー

タイムズ・オブ・インディア紙(インド)総理書面インタビュー

2014年1月25日付(17面)

平成26年1月25日

(問)日本はインドが著しい変化を遂げる上で重要な役割を演じており,安倍総理自身日インド関係の発展に携わってきた。アジアの安全保障,安定及び繁栄というより大きな戦略的視野に立って,日本はインドの発展に向けてどのような支援ができると思うか。

(総理)まず,インドで最も重要な記念日である共和国記念日の主賓に,日本の総理として初めてお招き頂いたことを非常に光栄に思います。

 日印両国が,長年に亘って非常に親密な友好親善関係を築いてきていることを心より喜ばしく思います。昨年11月末から12月初めに天皇皇后両陛下がインドを御訪問された際,インド側より大変温かい歓迎を受けられたことに対し,深く感謝します。

 私は,日印関係は世界で最も可能性を秘めた二国間関係だと信じています。このような考えの下,私は,インドとの間で「戦略的グローバル・パートナーシップ」に基づき,政治・安全保障,経済,人的交流などあらゆる分野において協力関係を力強く発展させていきたいと考えています。

 日本はインドの発展を一貫して支援してきました。1991年には緊急外貨融資を行うなどインド経済の支援と国際経済への仲間入りをサポートしました。以来,一貫してインド支援を続けており,それは, インドが2003年以来日本のODAの最大の受取り国であるという事実にも現れています。

 今や日印経済協力関係は,民間の経済関係にまで広がっています。この10年で日印間の貿易額は約3倍,インド進出日系企業数は約4倍に増えました。日印は,まさにウィン・ウィンの経済協力関係を築いてきています。

 アジア第3位の経済規模を持ち,増加を続ける世界第2位の人口を有するインドが安定的に発展することは,アジア太平洋地域の繁栄にとっても有益です。私は,日印間の戦略的経済関係を一層強化し,日本企業のインド進出の促進等を通じ,日印両国の発展と地域の繁栄に貢献していく決意です。

 政治,経済分野での関係深化に比して,日印間の人的交流はまだまだ発展の余地があるのが現状です。日印関係を更に強固で裾野の広いものにするためにも,日印間での人と人との往来を更に活発なものとするよう努力します。

(問)安倍総理は日本が「普通」の国になることを望むと述べている。このことを達成するために,防衛及び海上安全保障面での協力分野で日本がインドに望むことは何か。

(総理)今日,アジア太平洋の安全保障環境は,厳しさを一層増しています。私は,日本は相互依存を深める世界において,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の考えの下,これまで以上に地域そして世界の平和と安定に積極的な役割を果たすべきだと考えています。そして,そのためにインドの果たす役割が極めて大きいことを認識し,日印両国が安全保障面での協力を一層強化することを望んでいます。

 具体的には,まず,日印政府当局間で地域の安全保障に関する対話と認識の共有を一層深化させていくべきです。次官級「2+2」協議などの二国間協議,そして,日米印など多国間協議の更なる活性化が重要です。その他,二国間,多国間での海上共同訓練の継続,強化が挙げられるでしょう。日印間で定期的に行われている防衛当局間や海上保安当局間での共同訓練は,日印間の海上安全保障分野での強い結びつきを体現しています。こうした訓練が更に強化・拡大されていくことを期待します。

日本とインドを結ぶのは海です。私が前回,2007年に総理としてインドを訪れた際にも述べたとおり,海洋国家である日本とインドが,シーレーンの保全を共に担い,地域における責任を共に果たしていくことを期待しています。

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