寄稿・インタビュー

ノティシアス紙(モザンビーク)安倍総理書面インタビュー

2014年1月11日付

平成26年1月11日

(問)総理のモザンビーク訪問は,日本がモザンビ-クをアフリカとの関係の中で優先的パートナーとして選んだことを意味すると理解しています。この考えに基づき,総理のモザンビーク国民に対する基本的なメッセージを教えてください。

(総理)モザンビークは近年,年平均約7%の高成長を遂げ,今後10年間世界で非常に高い成長が期待できる国の一つとして注目されています。そんな躍動感溢れるモザンビークに,日本の総理大臣として初めて訪問することができ,大変光栄です。

昨年6月に横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(TICADV)で,私はアフリカを早期に訪問することを約束し,今回実行に移しました。TICADVにおいてゲブーザ大統領は,経済セッションで共同議長を務められ,民間との対話セッションでリードオフスピーカーをされるなど,会議の成功に大きな貢献を果たしました。

TICADVでは,確かな平和を土台とし成長の果実が社会に広く行き渡る「質の高い成長」の実現を目指すことに合意しました。内戦を克服し,多くの投資を呼び込み成長するモザンビークは,まさにTICADVの理念のモデルです。

我が国民間企業もモザンビークの発展に一役買っています。モザールアルミ生産工場や炭田や天然ガス田の開発事業に日本企業が参画しています。貴国は,今や日本の経済界がアフリカの中で高く注目する国の一つであり,対アフリカビジネスの中心地になる可能性を秘めています。今回のアフリカ訪問に際して最大規模の経済ミッションも同行していることもその証左です。

(問)日・モザンビーク間協力をどのように評価し,具体的にどのように協力を行っていきますか。

(総理)1975年の独立以来,日本はこれまでモザンビークの経済発展・貧困削減を一貫して支援してきました。

モザンビークが独立した1975年には,災害緊急援助を開始しています。1992年に16年の戦争が終結された後,食糧援助,水供給,保健・医療,運輸通信分野等で無償資金協力や技術協力を実施してきました。さらに,93年から95年にかけては,アフリカ初となるモザンビーク国内のPKO(ONUMOZ)への輸送調整や選挙管理支援等の貢献を行いました。

私の目標は,アフリカ各国がその可能性を磨き,その成長を現実のものとすることを支援し,相互の関心の中で,日本の知恵と心にあふれた協力を提案することです。「自国の資源や輸出先の確保のためだけに,その国の開発の焦点を合わせる」というのではありません。人と人との交流を重視しています。

2003年の国際協力機構(JICA)事務所の開設以降,我が国の協力は増加しました。現在,日本はモザンビークで回廊開発を含む地域経済活性化,人間開発,防災・気候変動対策を重点分野とする援助を実施しています。

モザンビークは93年から日本が開催してきたTICADプロセスにも積極的に参画してきました。日本は,これまでの協力関係を土台として,豊かな資源とその活用によって得られる恩恵が,モザンビーク国民によって分かち合われ,持続的な成長,国民生活の向上のために役立てられるよう,これからも官民一体で協力していく考えです。

今回のモザンビーク訪問に際し,私は,資源分野における支援を中心に,環境面にも配慮した支援パッケージを表明します。国の発展は人材育成と産業開発によって成し遂げられるものです。日本の戦後の復興,発展の経験にも基づき,人間一人一人の潜在力の発揮を後押しできるような支援を行っていきます。TICADVで表明したAfrican Business Education(ABE)イニシアティブはまさにこのような考え方に基づいたものです。

今回の訪問中,我が国が支援した医療従事者養成学校建設計画の署名式にも立ち会う予定です。日本は,こうした女性のエンパワーメントに資する支援を通じ,引き続き,女性が輝くモザンビーク社会の発展に貢献していきます。

また,天然の良港と豊富な資源が存在するナカラ回廊地域はモザンビークの経済発展にとり鍵となる開発フロンティアです。同地域を中心として,インフラ整備,教育・保健等の「総合的な成長支援」の方針を示していきます。

資源はモザンビーク自身の宝です。その恩恵をモザンビーク国民のために役立てられるよう,日本は官民一体となって協力していきます。日本の技術力を活用すれば,更に多くの産業と雇用と富を生み出すことができるでしょう。

日本とモザンビークとの関係をビジネスにとどまらず幅広いものとするため,今回の訪問では,両国間の官民対話の強化,大学間交流,スポーツ・文化交流の促進等を目指していく考えです。特に,2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて,両スポーツ交流を推進していきたいと思います。私自身,モザンビーク女子バスケットボール代表との交流を楽しみにしています。私の今回の訪問が,日・モザンビーク間の友情を強化するスプリングボード(跳躍台)となることを期待します。

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