寄稿・インタビュー

エチオピアン・ヘラルド紙(1面)(エチオピア)総理書面インタビュー

2014年1月12日付

平成26年1月12日

技術分野での協力を通じて,日本はエチオピア支援を継続:安倍総理大臣

 中東およびアフリカ歴訪中の安倍総理は,14日にエチオピアで対アフリカ政策スピーチを行う。アフリカ大陸との結びつきの強化を模索する日本に対し,エチオピアは投資を通じた技術移転を加速化したい考え。
 当紙が実施した安倍総理との書面インタビュー全文は以下のとおり。

(問第5回アフリカ開発会議(TICADV)で採択された横浜宣言では,成長のために必要不可欠な原動力として投資の重要性が認識されている。他方,現実には,エチオピアにおける日本の投資は,他国の投資に比べて遅れをとっている。これまでエチオピアにおける日本の投資状況を改善するために,日本政府が何を達成できたのか,また,今後の展望如何。今回の訪問で見込まれる成果についても併せてお聞かせ願いたい。

(総理)昨年6月に横浜で開催されたTICADVで,私とハイレマリアム首相は共同議長として,二人で会議をつくりあげました。TICADVでは,日本がアフリカの成長といかに手を携えていけるか,明確な指針と具体的な方策について決めることができました。日本とエチオピアの経済関係をいかに推進していくか,再び首相と協議できることを楽しみにしています。

 人材は,国の成長にとって最も重要な礎です。また,実際に投資を呼び込むためには,インフラ整備が重要です。このような考えに基づき,これまで日本はエチオピアに対し,教育支援や道路整備を始めとして,エチオピアの発展に資する支援を行ってきました。

 例えば,女性の活躍はアフリカの成長の一つの鍵です。今後,日本は女性起業家等を日本に招待し,女性の活躍に関する知見の共有を図っていきます。

また,輸出国としてのエチオピアのイメージを高めるため,日本の官学の関係者が,エチオピア政府の政策立案者と有望産品の開発に共に取り組んでいます。

投資環境の改善には,生産性の向上も重要です。この点,日本生まれの「カイゼン」プロジェクトがエチオピアにおいて受け入れられ,今やエチオピアの国家プロジェクトになっていることを嬉しく思います。

アフリカ大陸で2番目に人口が多いエチオピアは,市場として高い潜在性を持っています。私は,今般,日本の民間企業代表とともにエチオピアを訪問します。これを機に,これまで以上に両国のビジネス関係が発展していくことに期待しています。そのためにも,インフラの整備や通関手続きの簡素化を通じ,エチオピアにおける投資環境が更に改善していくことを期待します。日本企業は,検討は慎重ですが,一度投資したら,容易には撤退しません。

今年は,東京五輪でのアベベ選手の男子マラソン金メダル獲得から50周年の記念に当たる,両国にとって象徴的な年です。この機会をとらえ,日・エチオピア直行便の就航が実現する見通しです。経済のみならず,スポーツなどを通じた交流が一層深まっていくことを期待します。

(問)エチオピア政府が推進する5カ年開発計画(GTP)には,特に電力セクターにおいて,外部からの資金援助を必要とする大型案件の実施が盛り込まれている。多くのセクターにおける貴国政府からの無償資金援助と並行して,今後,ソフトローンや,円借款供与を検討する可能性はあるか。

(総理)私の目標は,アフリカ各国がその可能性を磨き,その成長を現実のものとするため,日本の知恵と心にあふれた協力を提案することです。「自国の資源確保や輸出先の確保のためだけに,その国の開発の焦点を合わせる」というのではありません。人と人との交流を重視しています。

日本は,エチオピアの農業開発及び工業化を実現するため,インフラ開発を重点分野の一つとして,積極的に支援しています。

特に,電力セクターにおいては,安定的な電力供給源の開発に貢献すべく,地熱マスタープランの策定等の協力を実施しています。また,アルトランガノにおいては,地熱開発のためのフィージビリティ・スタディを実施しています。この調査によってプロジェクトの実現可能性が認められれば,円借款再開の第1号案件とすることを想定しています。

昨年6月に横浜で開催されたTICADVにおいて,日本は今後5年間でODA約140億ドルを含む最大約320億ドルのアフリカ支援を官民の協力の下,実施していくことを表明しました。また,電力セクターの支援を含めたインフラ開発において,6,500億円の公的資金の投入といった具体的施策も発表しました。日本は引き続き,日本の技術や知見を活かし,エチオピアの持続可能な発展を後押していきます。

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