談話
マダガスカル大統領選挙について(外務報道官談話)
1 今般,マダガスカル共和国において,大統領選挙を経て,国民の総意が反映された形で新大統領が選出されました。我が国は,約5年に及ぶ政治的危機を乗り越え,新大統領を選出したマダガスカル国民及び同国暫定政府と関係機関に対し,敬意を表します。また,新大統領に選出されたヘリー・ラジャオナリマンピアニナ(Hery Rajaonarimampianina)氏に対し,祝意を表します。
2 我が国は,大統領選挙第一回投票に引き続き,第二回投票及び国民議会選挙において,独立の選挙監視活動を行いました。これらの投票は平和裡に,透明性をもって,自由・公正に実施されたと評価しています。また,暫定国民独立選挙委員会(CENIT)及び特別選挙法院(CES)が,憲法及び選挙法に基づいて,期限内に所要の作業を行い,今般大統領選挙の最終結果を確定したことを歓迎します。
3 この結果が,マダガスカルの全ての当事者に受け入れられ,同国の憲法秩序が早期にかつ平穏裡に確立されることを強く期待します。
4 この進展を後押しするため,我が国は,新政権発足後,二国間の新規の経済協力を再開することを検討しています。我が国は,今後,同国が新大統領の下で,政治的安定を実現し,経済的復興を遂げることを支援するとともに,国際社会で同国がふさわしい地位を回復することを期待します。
(参考1)大統領選挙の経緯
1 マダガスカルでは,2009年3月17日,憲法手続きに則らない形で,ラジョリナ・アンタナナリボ(首都)市長(当時)を暫定大統領とする暫定政府が発足。2011年9月には選挙による政治的危機終結のためのロードマップに関係者が合意。
2 2013年初め,選挙日程が設定されたものの,一部の大統領選挙立候補者の違法性等を巡り事態が紛糾し,選挙は再度延期された。その後,アフリカ連合(AU)及び南部アフリカ共同体(SADC)とジョアキン・シサノ調停者(前モザンビーク大統領)をはじめ,我が国も含むマダガスカルのための国際コンタクト・グループによる本格的な調停活動の結果,同年8月に至ってようやく選挙プロセスに実質的な進展が見られ,最終選挙日程が確定した。
3 10月25日に実施された大統領選挙第一回投票の結果,ジャン・ルイ・ロバンソン候補とヘリー・ラジャオナリマンピアニナ候補の間で,12月20日,大統領選挙第二回投票が実施された(国民議会選挙も同日に実施)。
4 大統領選挙については2014年1月3日,国民独立選挙委員会(CENIT)が暫定結果を発表(ラジャオマンピアニナ候補が1位)。これに対し,ロバンソン候補派が異議申し立てを行ったものの,特別選挙法院(CES)による審査の結果,CESはこれらの異議申し立てを却下し,17日,暫定結果をほぼ追認する以下の確定結果を発表した。
ヘリー・ラジャオナリマンピアニナ候補者 得票率53.49%
ジャン・ルイ・ロバンソン候補者 得票率46.51%
投票率:50.72%(有権者数:7,971,790人,投票者数:4,043,246人)
(参考2)選挙プロセスへの我が国の関与
1 我が国は,今次大統領選挙に際し,暫定国民独立選挙委員会(CENIT)の能力強化や選挙用資機材の供与のため,1億100万円相当を支援(国連開発計画(UNDP)経由で拠出)。
2 2013年6月にエチオピアの首都アジスアベバで開催された,マダガスカルの政治的危機脱出の方途を協議するための国際コンタクト・グループ会合には,細谷在マダガスカル大使が出席。
3 大統領選挙第一回投票(10月25日),同選挙第二回投票及び国民議会選挙(12月20日)において,在マダガスカル日本大使館員等が独立の選挙監視団を組織して,首都アンタナナリボ及びその近郊において選挙監視活動を行った。