談話

平成25年12月6日

 マンデラ元南アフリカ共和国大統領の逝去の報に接し,深い悲しみに包まれております。
 マンデラ元大統領は,信念の人でした。27年間におよぶ投獄にもかかわらず,その間ずっとアパルトヘイト撤廃のため闘い続けた不屈の精神に,深く頭を垂れ,最大の賛辞を送ります。
 彼は,不屈の闘士であるのみならず,和解の推進者でもありました。長い苦難の末にアパルトヘイトの撤廃を実現した後に,復讐ではなく,国民和解を先頭に立って推進されたことに,心より敬意を表します。
 そして,彼は,未来への希望の星でした。新生南アフリカの国造りにあたり,より良い社会の実現に向けて,人々が未来への希望を託す指導者であったことに,懐かしさを込めて思いを致します。
 ノーベル平和賞を受賞されたマンデラ元大統領は,三度の訪日を通じて,日本自身の国造りと発展の歴史にも関心を示され,日本と南アフリカの友好協力関係を推進されました。我が国は,今後ともマンデラ元大統領の想いを胸に,「自由とより良い世界に向けた長い道」を,南アフリカ共和国と共に歩んでいく所存です。
 信念の人。和解の推進者。未来への希望。本日,世界は偉大な人物を失いました。しかし,彼の高貴な信念は,今も,いつまでも,我々の心の中に生き続けるでしょう。
 ここに謹んで,日本国政府および国民を代表し,マンデラ元大統領のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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