記者会見

北村外務報道官会見記録

(令和7年4月9日(水曜日)15時45分 於:本省会見室)

冒頭発言

ルッテNATO事務総長の訪日

【北村外務報道官】冒頭、私(北村外務報道官)の方から2点あります。
 まず一点目はルッテNATO事務総長の訪日です。昨日、4月8日から10日まで、マルク・ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長が訪日中です。今般の訪日は、ルッテ事務総長が昨年10月にNATOの事務総長に就任して以降、初めてのインド太平洋地域の訪問となります。
 ルッテ事務総長は、昨日は中谷防衛大臣と会談され、本日は夕方に武藤経産大臣とも会談される予定です。その後、石破総理との間で初の対面での会談が行われ、岩屋外務大臣、及び中谷防衛大臣も同席を予定されています。
 岩屋外務大臣は、先週、ベルギー・ブリュッセルで開催されたNATO外相会合に出席し、NATO加盟国32か国及びインド太平洋パートナー、いわゆるIP4と呼ばれる日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国ですが、この外相らとの間で地域を越えた安全保障課題やNATO・IP4の間の協力について議論を行いました。また、ルッテ事務総長との意見交換を行ったところです。
 今般の訪日では、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であるとの認識に基づき、日・NATO関係の更なる強化、そしてNATOのインド太平洋への関与の一層の拡大が期待されているところです。

外交史料館特別展「貴重資料から浮かび上がる吉田茂像展」

【北村外務報道官】2点目は外交史料館における展示の御紹介です。
 麻布台ヒルズにある、外務省外交史料館展示室において、昨日、4月8日から5月31日まで、特別展として、「貴重資料から浮かび上がる吉田茂像」という展示を開催しています。
 本年は昭和100年、そして戦後80年を迎える年であり、戦後外交において極めて重要な役割を果たされた吉田茂元総理の業績を振り返る、絶好の機会となります。ぜひ外交史料館展示室を訪問していただければと思います。
 私(北村外務報道官)のほうからは以上2点です。

ポール・ワトソン容疑者へのICPO手配書の一時停止

【NHK 米津記者】別件で伺いたいんですが、反捕鯨団体のシー・シェパードが声明を発表し、ICPOから国際手配されていた元代表のポール・ワトソン容疑者について、国際手配が一時的に停止されたと明らかにしました。この事実関係を伺いたいのと、この声明の中で、一時停止の理由について日本の逮捕状が政治的な動機に基づく疑いがあるなどとしていますけれども、この点も含めて、政府としての受け止めを伺います。

【北村外務報道官】まず、この問題に関する、我が国の基本的な立場を申し上げます。
 ポール・ワトソン容疑者は、傷害、器物損壊等の共犯に問われ、一般犯罪の容疑者として手配されたものです。ポール・ワトソン容疑者に関する問題は、捕鯨に関する考え方とは関係なく、法執行の問題であるというのが日本政府の一貫した立場です。ポール・ワトソン容疑者からの度重なる事実に基づかない発言、これは誠に遺憾であると考えています。
 その上で、御質問の、手配の一時失効という点についてお答えしますと、私どもとして確認しているのは、ポール・ワトソン容疑者がICPO(国際刑事警察機構)に対し、赤手配書、これは引き渡し請求を前提として、身柄拘束を求める国際手配のことですが、この赤手配書の削除を要請しました。それを受け、ICPOにおきまして、暫定的にこの赤手配書の効力を一時停止するという措置が取られたと承知しています。
 本件につきましては、今後ICPOにおいて調査が行われ、ポール・ワトソン容疑者に対する赤手配書の適否について検討が行われるものと承知しているところです。
 いずれにしても、日本政府としては、冒頭申し上げた考え方に基づき、この赤手配書の継続に向けて、引き続き適切に対応していく考えです。

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