記者会見

小林外務報道官会見記録

(令和6年5月22日(水曜日)16時00分 於:本省会見室)

ウクライナへの融資「肩代わり」論

【読売新聞 大薮記者】ウクライナ支援についてお伺いいたします。先日、岸田総理が、米国を公式訪米されて、米国の上院下院の指導部と面会された際に、米国によるウクライナへの融資を日本が「肩代わり」する約束をしたという指摘が、一部動画などでなされ、また、自民党議員からも問題視する発言が出ています。事実関係が、どのようなものだったのか、お聞かせください。

【小林外務報道官】まず、お尋ねのようなやり取りはありませんし、お尋ねのような、日本が「肩代わり」を行うというようなことも一切ありません。
 その上で申しますけれども、4月24日に、米国において、ウクライナへの追加支援を含む予算法案が成立して、米国政府が、その成立した予算に基づいて、今般、ウクライナに更なる支援を供与することを、日本政府としても、歓迎しています。
 この上院での、本件予算法案審議等の過程においては、複数の議員が、岸田総理による連邦議会での演説の内容に言及されています。岸田総理が演説において、ロシアによるウクライナ侵略に言及しながら、米国のリーダーシップが必要不可欠であると訴えたメッセージが、連邦議会の議員にしっかり伝わったのではないかと考えています。
 いずれにしても、冒頭に述べましたように、この予算法案の成立に、日本政府による「肩代わり」などの関与というものは一切ございません。

EUのAI法成立

【共同通信 林記者】欧州連合で、世界初の包括的なAI規制法案を承認して、その法律が成立したということがありました。いろいろ影響もあろうと思いますし、日本の企業の活動にも関わる部分もあるかもしれませんけれども、現時点での受け止めをお願いいたします。

【小林外務報道官】昨21日に、EUのAI法が、EU理事会において承認されたと承知しています。
 この法律は、AIの開発・利用に際して、基本的人権及びEUの価値観の尊重を確保して、AIへの投資とイノベーション促進するということを目的とするもので、AIが満たすべき要件や規制等、そのリスクに応じて定めるということを、主な特色としていると承知しています。
 同法は、EU域内でAIシステムのサービス提供・利用を行う事業者を対象とするものでありますところ、日本企業の関心も踏まえながら、今後、この法律自体は、手続を経て、発効した後に、大半のものが2年後に適用開始されるというものですので、引き続き、動向を注視してまいりたいと思っています。

台湾に関する中山石垣市長のX投稿

【琉球新報 明記者】沖縄の石垣市の中山市長が、自身のSNSアカウントで、「台湾は世界が認める国家です」と投稿されました。日本政府の立場と、今後対応されることが、何かありましたら教えてください。

【小林外務報道官】御指摘の投稿は承知していますが、地方自治体の市長の個別の言動について、政府としてコメントすることは差し控えたいと思っています。
 いずれにしても、我が国の台湾に対する基本的立場というものは、1972年の日中共同声明を踏まえて、非政府間の実務関係として維持していくというものです。

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