記者会見

北村外務報道官会見記録

(令和6年12月4日(水曜日)15時46分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)「外交文書に見る日本・ギリシャ関係」展

【北村外務報道官】まず冒頭、私(北村外務報道官)から2点ございます。
 一点目はギリシャの関係です。
 12月10日から1月11日まで、外交史料館は、駐日ギリシャ大使館との共催で、記念展「外交文書に見る日本・ギリシャ関係」を開催いたします。
 今年は、日本・ギリシャ外交関係樹立125周年、そして、「日本・ギリシャ文化観光年」です。その締めくくりとして、外交史料館展示室において、この共催展示を行うこととなりました。
 この機会に、外交史料館が所蔵しております日本・ギリシャ修好通商航海条約の原本を特別展示いたします。また、ギリシャ外務省が作成し、今般、アテネで開催された記念展で用いられた、日本とギリシャの間の外交文書等を紹介する数多くのバナーも紹介される予定です。

(2)中国・光明日報記者の裁判事例

【北村外務報道官】二点目は、中国の関係です。
 11月29日の中国北京市第二中級人民法院の判決及びそれに関する報道等を受け、日本国内及び中国国内で無用な憶測や誤解が生じないよう、政府の立場を改めて御説明申し上げます。
 中国における我が国の大使館及び総領事館の職員が行っている外交活動は、外交官及び領事官として正当な業務です。
 中国のいわゆる「反スパイ法」の不透明性につきましては、経済交流、人的交流に萎縮効果を与えかねないものであり、これまでも中国側に対して、法執行及び司法プロセスにおける透明性の確保を求めてきているところですけれども、そうした透明性はいまだに不十分であることから、引き続き関連の取組を続けてまいります。
 我が国の大使館及び総領事館の職員と交流がある日本の友人である多くの中国人が、そうした交流を理由として中国国内で不当な不利益を被り、日中間の人的交流を阻害するようなことがあってはならないと考えています。
 中国側に対しては、このような日本側の立場を改めて伝達し、日本に対する誤った認識が中国国内で広がることのないよう、申入れを行いました。
 11月15日の日中首脳会談では、石破総理と習近平(しゅう・きんぺい)国家主席との間でも、日中間の「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築するという大きな方向性が確認されたところです。我が国として、引き続きあらゆるレベルで幅広い分野における両国間の意思疎通をより一層強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくべく、引き続き、鋭意取り組んでまいります。
 私(北村外務報道官)からは、以上です。

中国・光明日報記者の裁判事例

【共同通信 鮎川記者】今、冒頭で御紹介があった中国に関係する件ですが、中国側に、こうした日本の立場を伝達し、誤った認識が広がらないようにと申し入れたという御紹介だったんですが、報道等で、判決の中で、日本人外交官とみられる人の名前を、一部をあげて、スパイ組織の代理人と名指ししたと出ています。この判決をめぐって、日本側として中国側にしたのはあくまで申入れであって、抗議等ではないのかという点を確認させていただけますでしょうか。

【北村外務報道官】今の説明の冒頭発言の繰り返しになってしまいますけれども、御指摘のとおり、当該判決におきまして、スパイ行為との関係で外務省の職員、あるいは部局に言及しているとの情報や報道があったことも踏まえ、中国側に対しまして、我が国の在外公館で行っている外交活動、これは外交官として正当な業務であると、国際法に従った我が国の外交官及び領事官の権利の保護と、接受国としての義務の遵守、これを改めて申入れを行ったところです。

【産経新聞 原川記者】今の件ですけれど、その申入れはどこから、中国のどこに、どの部局に申し入れて、その先方の反応はどうだったのかというのを教えていただけますでしょうか。日付といつ申入れたというのも含めてお願いします。

【北村外務報道官】まず、先月11月29日の会見の場で、岩屋外務大臣の会見でございますけれども、その場で、我が国の在外公館での外交活動は外交官として正当な業務を行っていると認識しているということを述べさせていただいているところです。それに加えて昨3日になりますけれども、これは局長レベルで中国に対して申入れを行ったところでございます。先方の反応につきましては、外交上のやり取りですので、この場での御紹介は差し控えさせていただきます。

【共同通信 鮎川記者】関連で、この判決を受けて、米国務省は、29日の判決でしたが、29日に非難する声明というのを出しています。日本側の申入れが3日になったのは何か事情とか背景とか、もし御紹介できるものがあればお願いいたします。

【北村外務報道官】今申し上げましたとおり、御指摘の米国省報道官のステートメント、これが先月29日に出ていることは我々も承知しています。その上で、今お答えしたとおり、11月29日、同じ日ですけれども、岩屋外務大臣から先ほど御紹介したような発言を行っているというところですが、その上で、その後も様々な報道等を受け、日本国内及び中国で無用な憶測や誤解を生じかねない状況が起きていますので、今回改めて、政府としてこのような発表をさせていただいていますし、また、それに先立って昨3日に、局長レベルで中国側に申入れを行っているところです。

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