記者会見

北村外務報道官会見記録

(令和6年10月30日(水曜日)15時45分 於:本省会見室)

冒頭発言

「小村寿太郎とポーツマス条約」展

【北村外務報道官】冒頭は、私(北村外務報道官)から、外交関係の展示について御紹介します。
 11月2日から12月1日まで、外務省の外交史料館は、宮崎県日南市にあります小村寿太郎記念館と協力し、「小村寿太郎とポーツマス条約」という展示を開催いたします。
 今年は、日露戦争開戦から120周年の節目の年に当たります。外交史料館は、日露戦争の講和条約である「ポーツマス条約」の調印書、それとロシア側批准書を所蔵しており、この二つの原本を小村元外相の生誕地である日南市飫肥(おび)に運び、小村寿太郎記念館において展示を行います。
 私(北村外務報道官)からは以上です。

女子差別撤廃委員会(選択的夫婦別姓制度など)

【時事通信 村上記者】女性差別撤廃委員会の最終見解についてお伺いします。日本政府に、委員会のほうから最終見解が提出されまして、内容としては、政府としては、なかなか厳しいものではないかと思うんですが、特に、選択的夫婦別氏(べつうじ)制度であったりとか、婚外子の差別について、過去の勧告について、日本政府は、何も対応していないというような書かれ方もありました。
 政府としては、旧姓の併記であったりとか、進められている取組もあると承知しているんですが、前回の最終見解から8年余り、いろいろと取組をされてきたこと、委員会のほうに、きちんと報告とか伝わっていないのではないかというような考え方もあると思うんですが、その点の政府の取組について、お伺いできればと思います。よろしくお願いします。

【北村外務報道官】御指摘の、国連の女子差別撤廃委員会からの、我が国の女子差別撤廃条約の実施状況に関する第9回政府報告審査、これを受けた最終見解というものが、29日に公表されました。
 我が国としては、御指摘の、夫婦別姓の問題を含め、勧告の内容を十分に検討し、必要に応じて適切に対応していきたいと考えています。
 夫婦の氏(うじ)につきましては、10月17日に開催された委員会の審査において、国民の間に様々な見解があり、政府としては、国民各層の意見や国会における議論の動向を踏まえて、更なる検討をする必要がある旨説明をしたところです。
 また、そもそも一般論としての話になりますが、女子差別撤廃委員会の委員、これは独立性と公正性の原則に基づいて職務を遂行するために、利害関係者との接触が制限されているところです。このため、委員は、締約国政府からの事前の働きかけを受けることはできず、また、締約国政府側も、そうした行動を慎むことが求められています。
 日本政府としては、我が国の立場につきまして、事前の書面によるやり取りで明確に表明してきているほか、また、委員の中立性・独立性に配慮しながら、適切な形で、様々な機会を通じて、関係者に説明を行ってきているところです。
 いずれにしても、この夫婦別姓自体は、外務省の所掌とは離れますけれども、今日、官房長官が会見でも述べられたとおり、この委員会の最終見解の内容を十分に踏まえ、国民各層の意見、あるいは国会での議論を踏まえ、適切に対応がなされていくと考えています。

女子差別撤廃委員会(皇室典範に関する勧告)

【読売新聞 栗山記者】国連の委員会が、皇室典範の改正を求めました。そのことの受け止めと、日本政府として、必要な反論等を行ったのかどうか、そこも併せて確認させていただければと思います。

【北村外務報道官】御指摘の最終見解、そこには、皇室典範の話も含めて、審査において、日本政府が行った説明が反映されてないような記述、あるいは、客観的な事実を踏まえてない内容、こういうものが含まれています。
 このような最終見解を委員会が公表したことにつきましては、誠に遺憾であると政府は考えており、29日、我が方のジュネーブにある国際機関日本政府代表部から、国連側に対して、改めて遺憾の意を表明して、強く申入れを行ったところです。

記者会見へ戻る