記者会見
吉田外務報道官会見記録
(令和2年8月26日(水曜日)15時47分 於:本省会見室)
在留資格を持つ外国人の再入国
【ラジオフランス 西村記者】在留資格を持つ外国人の再入国の措置についての質問ですけれども、先月決定されたことから、何か新しい措置、あるいは緩和を考えていらっしゃいますか。最近日本のマスコミでいろいろ報道されていますけれども、その中で事実上検討されていることはありますか。
【吉田外務報道官】7月22日に新型コロナウイルス感染症対策本部の決定がありました。そのときは在留資格を持っている外国人の方々の再入国、それから入国を、順次検討していくということをその時点では述べています。現状ですが、水際措置を取って上陸拒否の指定日の前に、再入国の許可を取って出国された在留資格を有する外国人の方々については、再入国を認めるという決定をその時点でして、今現在そういうふうになっています。
ご指摘のように、最近様々いろいろな報道がなされていまして、私自身もなるほどなと思って注目して見ているのですが、その再入国の対象者の拡大につきましては、日本国内それから海外における感染状況を十分見ながら、引き続き検討を継続していくというのが現在の状況であります。そういった検討が継続された結果として、もし何らかの決定がされたら、しかるべくまたアナウンスされることになろうかと思います。
モーリシャスにおける日本関連船舶の油流出事案
【共同通信 小野塚記者】モーリシャスの油流出の関係でお伺いします。今回の事故は、船主は日本の会社ですが、日本の船主の会社が起こした事故ということで、政府としてはこの事故をどういうふうに認識されているのかというのが1点と、今後の支援に関して、積極支援を望む声も野党から上がったりしているのですけれども、政府としてはどういうふうに対応していこうというお考えでしょうか。
【吉田外務報道官】西インド洋のモーリシャス沖で、日本企業がオーナーである大型貨物船が座礁したということで、重油が大量に流出しているという事案ですが、この事故につきましては、モーリシャスの環境に甚大な被害を及ぼしていると認識しておりまして、日本国政府としても重要な関心を持って見ています。
現在モーリシャス政府との間でやり取りを行い、そのニーズを踏まえまして、また我々とモーリシャスとのこれまでの二国間関係、こういったものを総合的に判断して、まずは8月10日から、国際緊急援助隊・専門家チームの第一次隊を派遣いたしました。
その結果を踏まえまして、8月19日に、今度はその第二次隊を派遣しました。第二次隊は環境分野の専門家で構成されておりまして、油の防除、それから海岸に漂着した油状の汚染物への対処、それから生態系の影響把握、こういったものについての支援を行うべく現地で活動中です。
この事案につきましては、引き続きモーリシャスにおける環境の回復、それから汚染物、油の防除、こういったものの支援活動において、日本ができることについては全力で取り組んでいきたいと、このように考えています。
日英経済連携協定
【毎日新聞 田所記者】日英経済連携協定についてお尋ねしたいと思いますが、28日に閣僚間のテレビ会議なり、電話会談なりが行われるという報道についての事実関係を教えていただきたいのと、8月末までに大筋合意を目指すということへの実現性の見通しについて、現状を教えていただきたいと思います。
【吉田外務報道官】日英の経済パートナーシップの交渉についてお尋ねをいただきました。ご質問のあった閣僚協議とかということについてですが、現時点でその可能性があるともないとも言える段階にはまだございませんので、現在詰めの交渉を両国の事務当局でやっているところです。私がこの時点で、あるとかないとかということを、お答えできるような状況ではないということを申し上げたいと思います。
他方、茂木外務大臣が英国に行かれて、そこで交渉された結果、8月末までに大筋合意を目指して論点を詰めていくということで一致をしています。
見通しにつきましては、これは交渉事ですから最後までギリギリやってみないと分かりませんけれども、そのような閣僚間で一致したことを踏まえて、最後の詰めの作業をやっているものと、このように理解しています。
ベラルーシ情勢
【NHK 渡辺記者】もうすでに外報官のお名前で、2度ほどベラルーシについて談話は出されておりますけれども、その後、ルカシェンコ大統領が自動小銃を持って空からヘリコプターで市民を眺めたりとか、いろいろ状況が変わってきていて、ロシアに脱出するんじゃないかとかいろいろ言われておりますけども、その談話を踏まえた上で、その後の現状については、今、日本政府として、どのようにベラルーシの情勢を見ていらっしゃるのかということと、ベラルーシにおける状況に対してどのようなスタンス、姿勢を持っているのか。それと二つ目が、現在拘束されている日本人についての現状の把握と、解放に向けた交渉の状況というのはどうなっているのでしょうか。
【吉田外務報道官】ベラルーシ情勢につきましては、今、ご指摘いただきましたように、8月11日、それから18日、談話を出させていただきました。依然として、大規模な抗議活動、抗議集会が継続をしていて、現地の情勢は大変緊迫していると認識をしております。ベラルーシに隣接したヨーロッパであるとか、それからロシアとか、様々な外交活動が展開していることについても、重大な関心を持って注視をしているところです。
日本政府としては、先の談話でも指摘をいたしましたが、このような状況が継続する中で、幅広い政治勢力の間で対話が行われるということ、それに基づいて、国民の意思を反映して、法の支配と民主主義の原則が貫徹される形で、状況が改善していくことを期待するとともに、そのような立場をベラルーシ当局にも申入れをしている状況です。
もう一つ、お尋ねのあった当局に拘束されている日本人男性、20代の邦人男性ですけれども、大使館の方で領事面会を実施しました。現時点においては、ご本人の健康状態には問題がないことを確認しておりますが、それ以上の状況について、あるいはやり取りについては、今はご紹介できる状況にはございません。
在留資格を持つ外国人留学生の入国
【ラジオフランス 西村記者】留学生についての質問ですが、留学生はいつから入国が認められますか。
【吉田外務報道官】日本にいる外国人留学生のことですね。これも報道があったかと思いますけれども、所管官庁は文部科学省ですので、詳細は文部科学省にご照会いただければと思いますけれども、私ども聞いておりますところによれば、現在の水際措置、対策を維持して、徹底的な防疫措置は行いながら、他方で留学生の受入れも進めていく必要があるということで、まずは日本政府が募集・採用をして、経費を支給している国費留学生については、順次入国を進めることになりまして、8月下旬から順次入国を再開していただくことになったと伺っております。受入先の大学の受入体制、そういったものも文部科学省が確認をしながら、準備が整ったところから順次進めていくと、そのように伺っております。