記者会見

大鷹外務報道官会見記録

(令和2年6月11日(木曜日)16時30分 於:本省会見室)

中国情勢(香港問題)

【産経新聞 原川記者】先だって,いわゆる中国全人代によってですね,香港への国家安全法の導入に関して,外務報道官談話として,香港情勢をめぐって出されていますけれども,あれについて,もちろん文章を読めば分かるんですけれども,改めてどういうお考えか,ご説明いただきたいんですけれども。
 特に英語ではですね,「深く憂慮」というところ,日本語では深く憂慮ですけども,その英語では「seriously concerned」というふうに訳されていましたけれども,他国もいろいろ声明等出していますけれども,それらとの違いについてはどういうものかというのを,ご説明いただきたいんですけれども。

【大鷹外務報道官】正直言いまして,日本の立場について詳しくコンメンタールみたいな形でコメントすることは,ちょっと差し控えたいと思いますけれども,以前から申し上げているとおり,今の全人代でその議決がなされたことと,それから香港そのものの情勢については,深く憂慮するというのは日本の立場です。
 このことについては,いまだに引き続きいろいろ各国間,日本と,あるいは中国も含めていろいろやり取りが行われていることは,ご案内のとおりですけれども,やはり日本としては様々な懸念がある中で,中国に対してもしっかり言うべきことは言うという中で,いろいろ発信を行っていくということなのだと思います。
 「深い憂慮」とかいろいろな言葉を使いますけども,それは日本の立場をいろいろなチャンネル,いろいろな手段を使ってしっかり伝えるということがポイントで,それに対してもちろん相手国にも相手国の考え方があって,向こうからもいろいろ言ってくることがありますけれども,それでもやはり,改めて日本の立場を伝えるということをやってきているところです。

【毎日新聞 田所記者】関連してなんですけれども,今月18日から,全人代の常務委員会で,国家安全法制の関連法についての手続きが具体的に始まるということで,以前の談話は,方針決定という5月28日の中国の対応に対する談話でしたけれども,18日から具体的な手続きが始まることに対しての受け止めはいかがでしょうか。

【大鷹外務報道官】この件については,今の段階で予断することは差し控えたいと思いますが,やはり日本として,強い関心を持っている事項ですので,当然今後の動向については注目・注視していくことになると思います。

【産経新聞 原川記者】もう一つ,香港と中国の関連ですけれども,安倍首相がですね,香港情勢をめぐって,G7での共同声明の発表を目指しているというふうに国会でも述べられていますけれども,そのことについて中国側の報道官は,「日本側に重大な懸念を表明した」ということを言っていました。日本政府に抗議したというふうなことのようですけれども,事実関係としてどういう形でその抗議,抗議があったのか,どういう形であったのかについて教えてください。

【大鷹外務報道官】外交上のやり取りですので,あまり詳細なことは申し上げられないのですけれども,中国側から外交ルートを通じて,先般の全人代での香港に対する決議等について,中国側の従来の立場に基づいた申し入れがあったということがあります。その機会に当方からは,昨今の情勢に対する深い憂慮を改めて表明して,我が国の立場を改めて向こうに伝えたということがあります。それ以上の詳細は控えたいのですけれども,先ほど申し上げましたように,日本としても主張すべきことは主張するということを,この件についても貫いているというふうにお考えください。

【TBS 橋口記者】さっきの質問に関連するのですが,香港に関する中国側の申入れについて,日本政府として,抗議を受けたという受け止めなんでしょうか,ということが一つ。もう一つは,重要なことですので,誰から誰宛てに,いつ申入れ,抗議がなされたのかを,もう一度言える範囲でお答えいただけないでしょうか。

【大鷹外務報道官】若干繰り返しになりますけれども,中国側の従来の立場に基づいた申入れがあったというのが,私どもの受け止めです。外交ルートで日頃から行っている様々なやり取りの中で行われたもので,そういった外交上のやり取りについては,これ以上の詳細は差し控えさせていただければと思います。

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