記者会見

大鷹外務報道官会見記録

(令和2年5月14日(木曜日)16時30分 於:本省会見室)

新型コロナウイルス(中韓からの入国制限緩和要請)

【読売新聞 大薮記者】新型コロナに関しまして,中国と韓国で陰性証明の出た企業関係者等に限定した人の行き来が始まりました。ファストトラックと呼ばれるこういう仕組みを,中国とか韓国は日本に対しても求めているようですけれども,これに関して今の外務省の立場やお考えをお聞かせください。

【大鷹外務報道官】中国との間では,新型コロナウイルス感染症について,日中間の連携ですとか協力,あるいは今後の感染拡大防止策を含めて,様々なレベルで累次意見交換を行ってきております。そういう中で,個別の外交上のやりとりについてはお答えを差し控えたいと思いますが,その上で申し上げれば,今現在の課題は,新型コロナウイルスの感染の世界的な拡大に対処するための国際的な協調と連携であると考えておりますので,外務省としても数次にわたるいろいろな協議を行ってきて,その中で,もちろん日中韓の外相テレビ会議,あるいは外相電話会談も行ってきているのですけれども,中国との間で引き続き緊密に意思疎通をしていくということは,確実に申し上げられると思います。

新型コロナウイルス感染症(WHO総会での議論)

【産経新聞 力武記者】来週18日にですね,WHOの総会が開かれます。先日の記者会見で,茂木大臣はWHOの新型コロナウイルスへの対応について,これまでに十分に機能していたか議論が必要だというふうに述べられております。今度の総会でですね,日本がWHOが機能したかという面についてですね,どういったことを中心にその議論を進めたいと,議論を主導したいと考えておられるのか,それについてお願いします。

【大鷹外務報道官】WHOの総会への具体的な対応の仕方については,今,なかなか申しあげるのは難しいのですけれども,全体として申し上げれば,今回のような,世界に甚大な莫大な影響を与えるような感染症に対しては,国際社会が一致して対応しなければいけない,これはもう皆さん,当然そう考えていると思います。そしてWHOに対してもいろいろな見方があるのですけれども,専門的な知見を有して,現場で支援を実際に実施するWHO,そのWHOとの協力が不可欠であって,今しっかりとWHOを支える必要があると。
 従前から言っておりますけれども,ただし,WHOについては今後の同様の事態に備えるためにも,WHOの機能について,今の事態が終息した後に初動対応も含めて,国際社会全体が,連携して検証していくべきなのではないか。これが日本の基本的な考え方です。
 そういった基本的な考え方に則って,18日の総会でも,何ができるのか,今の段階で申し上げることは難しいですけれども,当然いろいろ考えておりますし,あるいは,実際の総会をやってみて,いろいろな議論が出てくる中でどう対応するかという,その場での対応とか,そういったものもあると思っております。

日英間の新たな経済的パートナーシップの構築

【日本経済新聞 加藤記者】先日,英国政府が,日本との自由貿易協定の交渉を近く始めるというふうに発表されましたけれども,現状で協議の日程等決まっていることがあれば教えてください。

【大鷹外務報道官】日英首脳間で一致しておりますとおり,政府としては日EU・EPAを踏まえて,EU離脱後の英国との新たな経済的パートナーシップの構築に速やかに取り組んでいくという考えです。
 5月13日,これは英国時間になりますけども,英国政府が日本との新たな自由貿易協定に関する対日交渉方針を公表したということは承知しております。そして,この対日交渉方針の公表を,日本としては歓迎しています。現在,日英間で事務レベルでの予備的な議論を鋭意行っているところですので,現下の新型コロナウイルス感染症をめぐる情勢はありますけれども,できる限り早期に交渉を開始したいというのは,現在の立場です。

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