記者会見
大鷹外務報道官会見記録
(令和元年12月4日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)
冒頭発言
オリンピック休戦決議及び森組織委員会会長の国連総会出席
【大鷹外務報道官】私の方から1点だけあります。12月9日に,日本が国連総会に提出した「スポーツとオリンピックの理想を通じた平和でより良い世界の構築」,これは通称「オリンピック休戦決議」と呼ばれているものですけれども,それが採択される予定です。
オリンピック休戦決議はですね,過去の経緯をたどると,1994年のリレハンメル冬季大会以降採択されてきた国連総会決議で,慣例上,各大会前年に開催国が原提案国となるものです。
今般の休戦決議には,2020年の東京大会独自の部分として,大会コンセプト,平和への貢献,アジアでの3大会開催によるパートナーシップ構築,それから「スポーツ・フォー・トゥモロー」,ホストタウン・イニシアチブ,持続可能性,東日本大震災への支援に対する謝意表明等を含んでいます。
国連総会での採択に当たっては,我が国から組織委員会の森喜朗会長が登壇し,国連加盟国に対して,決議案についての説明を行う予定です。
そして日本としては,このオリンピック休戦決議が国連総会の場でコンセンサス採択されることによって,来年の東京大会に向けた気運が醸成されて,本件決議が一層意義深いものとなることを期待しているところです。
オリンピック休戦決議(共同提案国)
【共同通信 原記者】オリンピック休戦決議案の件なんですけれども,今回は共同提案国は何か国でしょうか。
【大鷹外務報道官】9日はあと数日ありますが,今まさに共同提案国のとりまとめを行っているところですので,数字としてはまだ上がってきておりません。ただ,当然優に100の国は超えるのではないかと想像しておりますけれども,まだ今調整中です。
ジャララバード邦人銃撃事件
【テレビ朝日 大石記者】アフガニスタンで銃撃を受けた中村医師の件なんですけれども,現在の容態について把握されていることを教えていただければと思います。
【大鷹外務報道官】中村哲(なかむら・てつ)医師については,各種報道が出ているのは私どもも承知しております。現在,在アフガニスタン大使館を通じて状況を確認中です。その一方で,事件の一報を受けて,外務省の中に領事局長を長とする対策室及び在アフガニスタン大使館に現地対策本部を立ち上げまして,邦人被害について更なる情報収集に努めているところです。
【毎日新聞 田所記者】対策本部内で検討することと関係あるか分からないですが,安全情報・注意情報とかの検討はされていますでしょうか。
【大鷹外務報道官】もちろんアフガニスタンはご案内のような状況ですので,これまでも累次にわたって,注意喚起を繰り返してきているところですけれども,やはり,中村哲氏は医療活動とか,あるいは農業支援活動で多大な実績をあげてこられている方です。とはいえ,やはり改めて国民の皆さまにおかれては,目的の如何に関わらず,外務省危険情報の避難勧告が出ている地域への渡航というのは控えていただければというふうにお願いしたいと思います。
【西日本新聞 塩入記者】中村哲氏が襲撃を受けたのは,ジャララバードの治安状況をお伺いしたいんですけれども,アフガニスタンの中で,東部ナンガルハル州ですかね,こちらの治安状況というのは,特にひどいのかどうかというのをお伺いしたんですが。
【大鷹外務報道官】アフガニスタンの中にもいろいろ地域によって違いがあるんだと思うんですけれども,生憎,今この瞬間に,私,詳しい情報を持ち合わせておりませんので,ご関心ということでしたら,領事局の方に直接問い合わせていただいてもよろしいかなと思います。
【朝日新聞 竹下記者】中村哲氏が亡くなったという,今一報が入ったでんすけれども,外報官,受け止めと事実関係把握していらっしゃればと思いまして,お願いします。
【大鷹外務報道官】先ほど申し上げたとおり,今の状況についてはまだ確認中です。