記者会見

大鷹外務報道官会見記録

(令和元年11月6日(水曜日)15時32分 於:本省会見室)

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冒頭発言

外交官・公務員日本語研修

【大鷹外務報道官】外務省では,外交官ですとか,外交官以外の公務員に対する日本語研修を,外国政府に対して提供していて,国際交流基金と協力して毎年そういったプログラムを実施しています。今年は各国から31名が参加していますが,9月から5月までの8か月間,堺市にある国際交流基金の関西国際センターで研修を受けています。その方々が,明日7日の午後,夕方の時間帯になりますが,この外務省本省に来て,鈴木馨祐外務副大臣を表敬することになりました。もしお時間がありましたら是非この機会を取材していただければと思います。
 この研修は1981年から行われています。1981年に,当時の鈴木総理がASEAN諸国を訪問した際に,それをやるという意図を表明されて,その年からアジア・太平洋地域を対象としてこのスキームが立ち上げられました。主に各国の外交官でその国に日本語を研修させるような制度を持っていない国々を広く対象に実施してきています。8か月の研修の間には日本語の授業のみならず,各種日本事情についての専門家の講義や,いろいろな文化体験,それから地方旅行,交流等が行われる,非常に充実した内容となっています。
 日本の発進力強化の必要性が求められている昨今において,日本を深く理解する外交官等を育成するこのプログラムは,非常に意義深いものと思っていますし,私自身もこの現場に直接行って拝見してきているところです。
 そしてこれは今回で39回目です。外交官以外の公務員が参加できるようになったのは平成9年ですが,いずれにしても最初の外交官を対象としたものから数えると39期目で,参加した人数を全部合わせると1,000人を超えるところまで来ています。こういう人的交流のスキームは,長年実施していくことが非常に大事です。その間いろいろな山あり谷ありですが,それでも39年間続けてきて,そして1,000人を超える人たちがそれを受けたということは,日本にとっては非常に意義深いものなのではないかと私は非常に強く思っています。

 こういった方々は実は在京の大使館でも多く活躍しています。今後とも大いに活躍することを期待しています。

日韓関係(文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の提案)

【共同通信 小野塚記者】元徴用工訴訟問題についてお伺いします。昨日なんですけれども,韓国の文喜相(ムン・ヒサン)議長が,日韓の企業と個人から寄付金を募って,元徴用工らに賠償する案を公表しました。これについての率直な受け止めと,この案というのは,日本企業や日本の個人のお金を賠償に当てるということなんですけれども,そうしたことについてのお考えをお願いします。

【大鷹外務報道官】ご指摘のお話については,つまり韓国の国会において模索されているものと承知していますが,ある意味で他国の立法府における議論ですので,日本政府としてコメントすることは差し控えるべきかなと思っているところです。いずれにせよ,旧朝鮮半島出身労働者問題に関する日本政府の立場は,本日は繰り返しませんが,一貫しているということだけは申し上げます。

【共同通信 小野塚記者】この案は一つの構想として従軍慰安婦問題に関する合意に基づいて韓国で設立された,7月に解散されたのですが,和解・癒やし財団に残っているお金,これはもともとは日本政府の拠出金だと思うんですけれども,それを当てるという構想もあります。こういった考え方についても,どういったとらえ方をされていますでしょうか。

【大鷹外務報道官】そういった側面についても,やはり同じように他国の立法府が行っている議論について,コメントすることは差し控えたほうがいいかなと思いますけれども,いずれにせよ,慰安婦問題に関する日本政府の立場は,今日は詳しく申し上げませんけれども,立場は一貫しているということだけ申し上げておきます。

ASEAN関連首脳会議での日韓首脳間のやりとり

【産経新聞 原川記者】11月4日のタイのバンコク,正確にはその郊外で行われました一連のASEAN関連首脳会議と,そのスロットを使って行われた一連の首脳会談がありますが,それらは外務省のホームページを拝見しますと,一応,概要についてはご紹介があるんですけれども,韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と約11分間,言葉を安倍総理が交わされたことについては外務省のホームページに掲載されてないんですけれども,これはどういう理由によるものなんでしょうか。

【大鷹外務報道官】今回,ASEANの会議の機会に,いくつかの首脳会談が行われたことはおっしゃるとおりです。日韓首脳の間で言葉が交わされたことについては,ASEAN+3の前に,首脳の控え室において,そこに揃っていらっしゃった各国首脳と安倍総理が握手して,そして文在寅大統領とも握手をしたという中で,自然の流れで腰掛けて会話をしたということですので,正式な会談ではなかったということは言えるかと思います。

日韓関係(文喜相国会議長による提案)

【NHK 渡辺記者】日韓関係関連なんですけれども,文喜相国会議長が昨日,早稲田大学で講演する中で,今,共同通信の記者の方が述べたような案を出したんですけれども,立法府の動きということなんですが,韓国側が現状をちゃんと変えてくるまで日本側は動かないというスタンスだと思いますけれども,そうした立法府の動きといっても,何らかの韓国側からの動きが出てきているということについてはどう思っていらっしゃるのでしょうか。

【大鷹外務報道官】先ほど申し上げたように,これは韓国の立法府の中での動きですので,ある意味ではそこで議論が行われているという事実はあるんだと思います。その動きそのものについて,一つ一つ日本としてコメントする状況にはないんですけれども,いずれにせよ,韓国側で動きがある場合には,今後の展開は当然我々としては注視しているというところです。それにしても,日本の立場は,逆に言うと一貫して韓国側にも十分伝わっている,はっきり伝わっているということがありますので,そのことも十分踏まえた形で,あるいはその上に立って,今後とも状況は進展していくのかなと思っているところです。

【NHK 渡辺記者】確かにコメントしづらいというのはあると思うんですが,例えば日韓の議連の国会議員の方々の動きというのも出てきてると思います。例えば昨日は文喜相議長は自民党本部で二階幹事長にお会いになったり,日韓議連の幹事長の河村さんもお会いになったりしています。議会同士の間でそうした案が出てきて,それが政府に何かしら影響を及ぼすというか,そういったこともあり得ると思うんですけど,議論そのものは歓迎しているという感じなんでしょうか,外務省としては。

【大鷹外務報道官】歓迎という言葉は使うかどうかは別にして,従来から私ども申し上げておりますように,いろんなレベルでですね,外交当局間を特に念頭に置いて,各種意思疎通を行うことが重要だというのが今の日本政府の立場ですので,いろいろなコミュニケーションが行われること自体はそれに反するものではないと思っています。ただ,中身が重要,これは茂木大臣からも昨日申し上げたと思うんですけれども,やはり中身が重要だということだと思います。

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