記者会見
大鷹外務報道官会見記録
(令和2年3月4日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)
習近平中国国家主席の訪日
【NHK 渡辺記者】中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の日本訪問に関してお伺いしたいと思います。現時点で調整状況どうなっているのか,日本とそれから中国それぞれ,新型コロナウイルスの対応に追われている状況になっていますけれども,現時点でどうなっているか教えていただけますか。
【大鷹外務報道官】ご質問にあったように,日本中国含めて,このコロナの問題に,今懸命にあたっているところであると思います。その中で習主席の訪日については,昨日,茂木大臣の会見でも申し上げたことと,今現時点で変わっていないというふうにお考えください。
内容を繰り返しますと,習近平中国国家主席の訪日は十年に一度のことであって,十分な成果を上げるものとする必要があり,この観点から,日中間で緊密に意思疎通しているところ,現時点でこれ以上申し上げることはないということです。
新型コロナウイルス(各国による日本からの入国制限)
【読売新聞 後藤記者】外務省の海外安全ホームページに,日本に対して入国制限措置をとっている国々が併記されていますけれども,3月3日時点で更新されていないのですが,現時点での入国制限措置をとっている国の数などに変更はないでしょうか。
【大鷹外務報道官】いつの時点のことを基準にという問題はあるのですが,昨日,茂木大臣から国名を挙げながらご説明したので,それとの比較で申し上げると,日本を含む国々からの入国,入域制限をしている国は,昨日18だったものが,22に増えているとお考えください。増えたのは,インド,ネパール,トルクメニスタン,ジブラルタルです。
それ以外に,入国後に行動制限措置がとられている国,昨日茂木大臣からは37カ国とお話ししましたが,それが今現在,最新情報では42か国・地域ということです。
増えたのはカナダの8つの州,カナダ・マニトバ州,パナマ,キプロス,オマーン,トルコ,ヨルダン,ケニア,チュニジアの8つです。
【読売新聞 後藤記者】18だったのが,22に増えているというのは4つだと思うんですが,インド,ネパール,トルクメニスタンとどこですか。
【大鷹外務報道官】ジブラルタルです。
【読売新聞 後藤記者】こうした国々に対して,日本の現状を説明して,理解を求めるというようなことは今やっていらっしゃるのでしょうか。
【大鷹外務報道官】はい,いろんな機会に,繰り返しご説明しているところなんですけれども,日本における状況ですとか,日本の取組について,正確な情報を丁寧に説明する,丁寧に発信するというのが,今の日本の方針の柱にありますので,そういった対応をこれまでもやってきておりますし,今後も続けていく必要があるというふうに考えております。
新型コロナウイルス(WHOへの日本の現状説明)
【読売新聞 後藤記者】昨日,WHOのテドロス事務局長が,特に懸念するべき国として,中国,韓国,イランと並んで日本の名前を挙げたんですけれども,これについては,日本の方から抗議ということはしたんでしょうか。抗議とか現状説明とかはあったんでしょうか。
【大鷹外務報道官】当然,日本としてはWHOとは緊密に連絡を取り合っていて,日本の現状について,最新のものを常に提供する状況にあるとお考えください。そういう中で,日本について正しい見方をWHO側としてもするように,しっかり丁寧に説明するということは,終始一貫やっているところです。
【読売新聞 後藤記者】日頃から説明はされているんだと思うんですけれども,昨日のテドロス事務局長の発言を受けて,特に日本政府として対応したということはありますでしょうか。
【大鷹外務報道官】そこは,WHOについては,厚労省も日々連絡をとっておりますので,そこは詳細は私ども,承知しておりませんですけれども,場合によっては,必要があれば,厚労省にもお問い合わせいただければと思います。
新型コロナウイルス(日本からの入国制限)
【NHK 高野記者】先ほどの,入国制限について確認なんですが,正確を期したいので,いつ時点というのを明確におっしゃっていただけますか。昨日は,今朝時点ということで,茂木大臣は言われたと思うんですが。
【大鷹外務報道官】最新のものとして,私が手元に置いておりますので,今日の,正確な時間はまた後ほどお知らせします。ただ,今日の時点のデータであることは間違いないと思います。
新型コロナウイルス(WHOの初期対応)
【NHK 渡辺記者】WHOの関係なんですけれども,日本をそういうふうにWHOが国名を挙げておりますけれども,そもそも論として,WHOの初期の対応を含めて,中国国内でウイルスが出てきた時の対応を含めて妥当だったかというところで,そういった観点から,そもそもWHOの対応が悪かったんじゃないかと,中国におもねっている部分があるんじゃないかと,そういったことは日本から指摘していないんでしょうか。
【大鷹外務報道官】今の新型コロナウイルスの問題は,今,まさに,中国,日本,あるいはWHOも含めて,全力を挙げて取り組んでいるところですので,まずは各国とも日本も含めて,それに集中するということが必要なんだと思います。
ただ,いずれかの時点で,当然日本も含めて,今回起きていること等について,いろいろ検証,レビューするということも出てくると思いますので,その中で,実際おのおのどうだったのか,ということについて,自己反省も含めて,必要なことをきちっとやっていくことになるのではないかと思います。そのプロセスは,多分WHOも含めて,国際社会全体としてやっていくことなのかなと思います。