記者会見
大菅外務報道官会見記録
(令和元年8月28日(水曜日)16時35分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)中国高校生長期招へい事業(心連心)
【大菅外務報道官】9月3日,「心連心」という中国高校生の長期招へい事業の第14期生として,日本語を学んでいる中国の高校生26名が来日する予定です。一行は9月4日午後,外務省を訪問し,鈴木憲和(すずき のりかず)外務大臣政務官を表敬する予定です。また,来年7月までの約1年間,日本各地の高校に留学し,クラブ活動や寮生活,ホームステイ等含め,幅広く日本を体験する予定です。
この事業は,平成18年度(2006年度)から国際交流基金日中交流センターが実施しており,これまで計416名が参加しました。そのうち,のべ185名が日本の大学に進学,または日本国内で就職しているほか,中国国内でも大学の日本語学科に進学したり,日本関連事業に従事する等,親日派・知日派の育成に大きく貢献してきていると考えています。
この事業を通じて,将来の日中関係を担う若者同士の相互理解がより一層促進されること,また中国の高校生がありのままに感じた日本の姿を発信することで,中国における対日理解が促進されることを期待しています。
(2)大学生韓国訪問事業(対日理解促進交流プログラム JENESYS2019)
【大菅外務報道官】韓国外交部との大学生相互派遣および対日理解促進交流プログラムJENESYS2019の一環として,8月28日から9月6日まで,日本の大学生等30名が韓国を訪問します。一行は韓国滞在中,大学を訪問して同世代の若者と交流したり,ホームステイを経験するほか,韓国文化を体験する行事等に参加する予定です。
これとは別途,8月28日から9月2日まで,JENESYSのスポーツ交流事業の一環として,日本の大学生等18名が韓国を訪問します。一行は韓国滞在中,空手を通じた同世代との交流・意見交換を行い,スポーツ関連団体を訪問するほか,韓国文化等に触れる行事等に参加する予定です。
両グループとも,9月1日に予定されている「日韓交流おまつり2019 in Seoul」にも参加し,日本の魅力の発信等にも取り組む予定です。
こうした交流事業を通じて,日本の若者の韓国文化・社会に対する理解が深まると同時に,韓国における対日理解の促進,日韓間の相互理解と信頼関係増進の基盤強化に寄与することが期待されます。
日韓関係(李洛淵(イ・ナギョン)総理の発言)
【共同通信 江藤記者】日韓関係に関してなんですけれども,李洛淵(イ・ナギョン)首相が日本政府によるホワイト国からの除外を受けまして,本日,長嶺駐韓大使を呼んで抗議をしました。長嶺大使から,どのような説明をされたんでしょうか。
【大菅外務報道官】詳細についてのご説明は控えますが,これまで本件について繰り返し説明している日本の一貫した立場を説明したということです。
【共同通信 江藤記者】李洛淵総理はWTOへの提訴を進めるというふうにも言っております。日本政府としての受け止めと,今後の対応を教えてください。
【大菅外務報道官】報道については承知しておりますが,繰り返しご説明をしておりますとおり,今回の輸出管理上の措置は,安全保障上の観点から日本の輸出管理制度を適切に実施する上での,必要な運用の見直しの一環ということです。当然ながら,WTO協定にも整合的な措置ということです。
今後の対応については,ご指摘のような李洛淵総理のご発言が報道されているのは承知しておりますが,WTO協定上の具体的な手続き,紛争解決上の必要な手続きは,何らとられている状況にないというのが現状です。