記者会見

大鷹外務報道官会見記録

(令和2年2月19日(水曜日)16時33分 於:本省会見室)

新型コロナウイルス(クルーズ船への対応)

【読売新聞 後藤記者】ダイヤモンド・プリンセス号での日本政府の対応について,官房長官の今朝の会見で,「日本の内水なので,日本の主権が及ぶので,日本の国内法で対処している」というご答弁がありましたけれども,船籍国である英国が何もしなくていいのかという議論もあると思います。今後もし大型客船で,今回のような大規模な感染が発生した場合に,船籍国が責任を持つのかとか,寄港国が対処するのかとか,その辺の国際的な取り決めを結ぶ必要があるとお考えでしょうか。

【大鷹外務報道官】繰り返しになる部分があるかもしれませんけれども,今回のクルーズ船の対応については,日本の内水であって,日本の主権が及ぶ横浜港におきまして,防疫上の必要性から国内法に基づいて行っているものです。一般的に国際法上,船舶における感染症の拡大防止のための措置については,いずれかの国が一義的な義務を負っているわけではないのですけれども,事態の緊急性を踏まえて,関係国が協力して適切に対応すべきものだと考えているところです。
 その上で,外交的な観点から言えば,当該船舶の旗国である英国に対しても,適時適切に事実関係について情報提供,説明をしてきているということだと思います。
 そして今後のあり方については,官房長官からも申しているとおりですけれども,関係感染症対策について国際的な協力体制の構築を含めて,いかなる対応が望ましいのか,これから,今の感染拡大の防止について一段落したら,しっかり検討していきたいという立場なんだと思います。

新型コロナウイルス(諸外国によるチャーター機派遣)

【読売新聞 後藤記者】クルーズ船の乗客のためにチャーター機を出す国がこれから出てくると思うんですけれども,今,チャーター機を出すことが決まっている国を,日程も併せてご紹介いただければと思うんですけれども。

【大鷹外務報道官】チャーター機については,これも若干,既に官房長官から申していることの繰り返しになる部分があるかもしれませんけれども,ご案内のとおり,17日の米国のチャーター機に続いて,19日,今日の未明にダイヤモンド・プリンセス号から早期の下船・帰国を希望する韓国人等の方々が,韓国チャーター機を利用して出国したところであります。そして,ご案内のとおり,豪州も既に自国チャーター機で自国民を帰国させる意向を固めておりまして,航空機の運航日程について最終調整中です。早ければ本日夜にもオペレーションが開始される見込みだと聞いております。また,カナダも自国チャーター機によって,自国民を下船・帰国させたいとの意向を固めておりまして,出発日を含めて詳細を今調整中です。更に,それ以外にもイタリア,イスラエル,英国,香港,台湾が,今後いずれかの段階で航空機を派遣する意向を対外的に明らかにしていると承知しておりますので,その他の国・地域からも,今後,同様の要望が寄せられる可能性もあるかなと考えております。

新型コロナウイルス(対外発信)

【読売新聞 後藤記者】今回のコロナの対応,特にダイヤモンド・プリンセスをめぐって日本政府の対応について,情報の開示が不十分であるというような海外メディアの指摘もあるかと思うんですけれども,外務省として,厚労省が出したプレスリリースをどう流すのかという問題も含めて,何か取り組んでいらっしゃることはありますでしょうか。

【大鷹外務報道官】対外発信というのは,こういう局面,問題においては非常に大事な課題であるということは,外務省も十分意識しているところで,以前にもご説明してきましたとおり,在京の大使館に対する説明ですとか,あるいは在京の外国プレスの方々に対するブリーフィングを複数回行ってきておりますし,あるいは在外公館を通じて,日本で起きていることは,在外公館に逐一,情報共有しておりますので,在外公館を通じて,現地での然るべき方への説明といったこともやってきているところです。
 そういった取組については,その重要性について,関係省庁にも,私どもとしては共有して,今おっしゃったような今回のクルーズ船の話についても,厚労省の発表したものについては,迅速に外国プレス等の方々にもきっちり共有されるように,外務省としても支援・サポートしてきているところです。今後もそれは当然続けていかなければならないと思っているところです。

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