記者会見
大菅外務報道官会見記録
(令和元年7月24日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)京都アニメーションへの追悼メッセージに対する謝意
【大菅外務報道官】18日に発生した京都アニメーション放火事件について,世界から多くのお悔やみや励ましのメッセージが寄せられています。各国の首脳から安倍総理あてに弔意の表明があった他,SNS等を通じて,各国政府・大使館等からも多くのメッセージが寄せられました。京都アニメーションに代表される日本のアニメ文化が世界で広く受け入れられ,愛されている証であると思います。
外務省として,今回の事件でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りし,また負傷された皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに,メッセージを寄せてくださった各国・地域の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
今回の悲劇を乗り越え,日本文化の重要な一部をなすアニメ文化の魅力が更に世界の人々に伝わるよう,外務省としても引き続きお手伝いしていきたいと考えます。
(2)ウクライナ最高会議選挙について
【大菅外務報道官】我が国は,7月21日に実施されたウクライナ最高会議選挙が,概ね自由かつ平穏に行われたことを歓迎します。
我が国は,新たな議会により速やかに内閣が組閣され,新政府の下で諸改革が進展することを期待します。
(3)国際問題プレゼンテーション・コンテスト
【大菅外務報道官】10月5日,都内におきまして,「第35回 国際問題プレゼンテーション・コンテスト」を開催します。
本コンテストは,日本の将来を担う全国の大学生の皆さんが,日本の外交政策に関する関心や理解を深め,国際社会で活躍できる能力を高めることを目的として,毎年実施しています。
本年は「私の提言~外国人の受入れと共生社会の実現のために~」をテーマとし,本日から参加者の募集を開始します。書類審査を通過した10組のファイナリストの方々には,本選の場でプレゼンテーションを行っていただき,最優秀者には外務大臣賞を授与いたします。
今回からは,チーム参加も可能にしましたので,学生の皆さんにおかれては,仲間とも協力しながら,ぜひ挑戦していただきたいと思います。
竹島付近におけるロシア軍機の領空侵犯
【朝日新聞 東岡記者】昨日,ロシアの軍用機が島根県の竹島上空を飛行して,日本の領空を侵犯した件についてお尋ねします。まず外交ルートを通じて日本政府はロシア政府に対して抗議をしていると思いますが,これに対してロシア政府から何か説明があったのかどうか。
もう一つは,同じように,警告射撃をした韓国軍についても,韓国政府に対して外交ルートを通じて抗議をしたと思います。それに対して韓国政府から何らかの説明があったのかどうか。この2点についてお尋ねします。
【大菅外務報道官】ロシアに対しましては,外務本省の課長レベルから在京ロシア大使館に対して,厳重に抗議をするとともに再発防止を強く求めました。これに対するロシア側とのやり取りの詳細については控えたいと思います。
韓国側につきましては,これも東京で,本省の課長レベルから在京大使館の参事官に対して,昨日申入れをいたしました。同時にソウルにおきましても,在韓国日本大使館の参事官から韓国外交部の担当課長に対して申し入れを行いました。先方からは,従来の独自の立場に基づく反応だったと承知しています。
【朝日新聞 東岡記者】韓国については,従来の独自の立場について説明があったということですが,ロシアについてはやり取りの詳細を控えたいということですが,ロシア側からは何らかの説明があったのかなかったのか,その事実関係を教えてください。
【大菅外務報道官】詳細については控えたいと思います。
【朝日新聞 東岡記者】韓国政府によると,ロシア政府は韓国政府に対して,昨日の軍用機の飛行について遺憾の意を表明し,機器の誤作動によって予定されていない空域を飛行したと,国際法や韓国の国内法を尊重するというような趣旨を伝えてきたということです。先ほど,報道官はロシア側と日本側のやり取りは控えたいということですが,韓国側はそのような発表をしていて,日本側は詳細を控えていると,一方的な内容ばかりが宣伝されると思います。できればもう一度お願いしたいんですが,やり取りを教えてくださいというのがまず一つ。
もう一つは,ロシア側が韓国側に対して遺憾の意を表明するというのは,日本の領土であるということを無視したかのような印象を与えますが,こうしたロシア側の対応についてどうお考えでしょうか。
【大菅外務報道官】昨日の在京ロシア大使館と本省とのやり取りの詳細については控えたいと思いますが,ロシア側から遺憾の意を伝えられたという事実はございません。それ以上の詳細は控えたいと思います。
【朝日新聞 東岡記者】今,私がお尋ねしたのは,ロシア側が韓国側に遺憾の意を伝えた,誤作動による計画外の飛行だったという趣旨のことを,ロシアが韓国に伝えたということなんです。この点についてはどうでしょうか。
【大菅外務報道官】ロシアと韓国のやり取りについては,直接承知する立場にございませんので,コメントを控えたいと思います。
【共同通信 江藤記者】ロシアに対しては厳重抗議と,韓国は申し入れたという言い方をされたんですけれども,韓国も同じように抗議という位置づけでよろしいんでしょうか。
【大菅外務報道官】同じです。強く抗議をし,再発防止を強く求めるということです。
メドヴェージェフ露首相による北方四島訪問の可能性
【NHK 小泉記者】ロシアのメドヴェージェフ首相が択捉島に上陸するという計画をしているというような話が報じられています。これについての受け止めと,そしてまた日本政府としてどう対応されていかれるかお願いします。
【大菅外務報道官】そのような報道があることは承知しております。現在,情報収集を行っているところであり,その上で適切に対応したいと思います。一般論として申し上げれば,ロシア政府要人による北方四島の訪問は,領土問題に関する我が国の立場と相容れないということでございます。
【NHK 小泉記者】この件に関しての抗議などは予定されているんでしょうか。もしくはすでにされたのでしょうか。
【大菅外務報道官】今,鋭意,情報収集を行っているということです。その上で適切に対応するということですが,情報収集の段階であります。
竹島付近におけるロシア軍機の領空侵犯
【朝日新聞 東岡記者】ロシア国防省が昨日,中国とロシアの長距離爆撃機4機が,日本海上空で初めて共同警戒監視活動を行ったということを明らかにしています。こうした活動について日本政府としてどういうふうに考えているのかということが一つと,この活動の一環として,島根県の竹島周辺を飛行したと思われますが,日韓の対立をあおる,あるいは日米韓の連携を弱めるといった意図も感じられるんですけれども,その点についてどうお考えでしょうか。
【大菅外務報道官】そのような発表があったことは承知しておりますけれども,ロシア軍なりロシア政府,中国軍,中国政府の意図について,日本政府としてコメントする立場にはないので,控えたいと思います。