記者会見
大菅外務報道官会見記録
(平成30年10月10日(水曜日)16時32分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)河野外務大臣のアイスランド及びデンマーク訪問
【大菅外務報道官】河野太郎外務大臣は,諸般の事情が許せば,10月18日から21日まで,アイスランド共和国のレイキャビク及びデンマーク王国のコペンハーゲンを訪問する予定です。
レイキャビクでは,グリムソン前アイスランド大統領により2013年に設立された「北極サークル」,これは政府関係者,研究者,ビジネス関係者等が分野を超えて集まり,北極について議論する場でありますが,この「北極サークル」第6回会合に出席し,北極を巡る様々な課題に対する我が国の政策と国際協力の重要性について発信する予定です。また,アイスランド政府要人との間で二国間関係の強化等につき意見交換を行う予定です。
コペンハーゲンでは,「P4Gサミット」会合に出席し,SDGs実現に向けた日本の取組や,来年のG20やTICAD7に向けた国際社会との連携について紹介しつつ,SDGsの推進を主導する我が国の姿勢を発信する予定です。また,デンマーク政府要人との間で二国間関係の強化等につき意見交換を行う予定です。
なお,「P4G」は環境に優しい経済成長とSDGs実現のため,官民連携強化を目的として今年設立されたネットワークでありまして,今回の会合は,デンマークの首相が主催する初の首脳級の会合です。国連事務総長,世界銀行総裁,韓国,ベトナム,オランダ等の首脳,それからメンバー国や経済界から要人が出席する予定です。
(2)サウリウス・スクバルネリス・リトアニア共和国首相の訪日
【大菅外務報道官】昨日から13日の日程で,サウリウス・スクバルネリス・リトアニア共和国首相が訪日しています。12日の夕刻には,安倍総理が同首相と首脳会談を行い,夕食会を主催する予定です。
日・リトアニア関係は,杉原千畝氏の絆を通じ極めて良好です。スクバルネリス首相は,明日午後,杉原千畝氏の出身高校である愛知県立瑞陵高校を訪問し,同校に設置された杉原千畝氏顕彰施設を視察する予定です。それに先立ち,今晩から広島を訪問され,明日午前,原爆死没者慰霊碑への献花なども行う予定です。
なお,今回スクバルネリス首相は経済ミッションと共に訪日し,ビジネス関係のイベントにも参加しています。今回の訪日を契機に,両国関係の更なる強化が期待されます。
(3)第1回日本・イスラエル外務・防衛当局間協議の開催
【大菅外務報道官】昨9日,第1回日本・イスラエル外務・防衛当局間(PM)協議が,イスラエルで開催されました。
この協議には,日本側から岡浩中東アフリカ局長,鈴木秀雄防衛省防衛政策局次長のほか,外務省,防衛省及び国家安全保障局の関係者が参加し,イスラエル側からはエイタン・ベン=ダヴィッド国家安全保障会議副議長,ゾハル・パルティ国防省軍政局長,アロン・ウシュピッツ外務省担当次官補のほか,外務省,国防省及び国家安全保障会議の関係者が出席しました。
この協議は,5月2日に安倍総理がイスラエルを訪問した際の日・イスラエル首脳会談において立ち上げにつき一致し,今回初めて開催されることとなったものです。
協議においては,地域情勢,安全保障問題等,幅広い事項について意見交換が行なわれました。
米国による未臨界実験の実施について
【共同通信 福田記者】アメリカが去年の12月にプルトニウムを用い,核爆発を伴わない臨界前核実験をネバダで実施していたことが分かったとの報道がありますが,これについて受け止めをお願いします。
【大菅外務報道官】米国の国家核安全保障局(NNSA)が本年3月に発表した報告書において,米国がネバダ州の施設で,去年12月13日に未臨界実験を実施したと言及されていると承知しています。
米国は,核爆発実験を行うことなく,貯蔵している核兵器の安全性,有効性を確保するために未臨界実験を行なっていると承知しています。また,未臨界実験は,CTBT(包括的核実験禁止条約)において禁止される核爆発は伴わないものと理解しています。
我が国は,CTBTの早期発効を,具体的な核軍縮措置として重視しています。まずはCTBTの早期発効を目指すべきであると考えています。その上で,未臨界実験等核爆発を伴わない核実験の扱いについては,核兵器のない世界を目指すとの立場から,核軍縮に取り組んでいく中で検討すべきであると考えています。