記者会見

安藤外務副報道官会見記録

(平成30年6月27日(水曜日)17時01分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)北朝鮮関連船舶によるいわゆる「瀬取り」の疑い

【安藤副報道官】6月21日及び22日,北朝鮮関連船舶による違法な洋上での物資の積替え(いわゆる「瀬取り」)の疑いのある事案が確認されました。
 今回の事案は,海上自衛隊第1海上補給隊所属「はまな」が,本年6月21日朝,北朝鮮船籍タンカーと船籍不明の小型船舶が,東シナ海の公海上,上海の南南東約400kmの沖合で接舷(横付け)していること,そして,同月22日朝にも,北朝鮮船籍タンカーと前日と同一のものと思われる船籍不明の小型船舶が,東シナ海の公海上,上海の南南東約450kmの沖合で接舷(横付け)し,両船舶の分離後,当該小型船舶が中国国旗とみられる旗を掲揚したことを確認し,政府として総合的に判断した結果,両日とも,国連安保理決議で禁止されている「瀬取り」を実施していたことが強く疑われるとの認識に至ったものです。
 本事案については,国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報するとともに,関係国と情報共有を行うほか,船籍不明の小型船舶に関係している可能性がある中国に対して関心表明を行いました。
 政府としては,引き続き,北朝鮮の完全な,検証可能な,かつ不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄の実現に向け,日米,日米韓三か国で協力し,そして中国・ロシアを含む国際社会と連携しながら,北朝鮮の国連安保理決議の完全な履行を求めていきます。

(2)河野外務大臣の南部アジア訪問及び第3回CEAPAD閣僚級会合出席

【安藤副報道官】河野外務大臣は,21日から28日まで南部アジアを訪問しています。22日には,タイを訪問し,東部経済回廊に位置する日本企業の工場視察を行いました。22日から24日には,ブータンを訪問し,日ブータン外相会談や国王拝謁,首相表敬等を行いました。24日から26日には,インドネシアを訪問し,日インドネシア外相会談や大統領表敬等を行いました。26日から27日には,タイを再度訪問し,第3回「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合」(CEAPAD)閣僚級会合で,タイ外相及びパレスチナ外務庁長官とともに共同議長を務めたほか,日パレスチナ外相会談や,日タイ外相会談を行いました。 一連の日程を終えて,河野外務大臣は28日に帰国する予定です。

北朝鮮関連船舶によるいわゆる「瀬取り」の疑い

【毎日新聞 田辺記者】「瀬取り」ですけれど,中国への関心表明は,いつ,どういう形で,どういう内容をお伝えしたかを,もうちょっと詳しくお願いできますか。

【安藤副報道官】詳細については,コメントを差し控えさえていただきたいと思います。

【共同通信 田窪記者】関心表明ということですけれど,抗議したのか,懸念を伝えたのかどちらですか。

【安藤副報道官】正に,関心を表明したということです。

【共同通信 田窪記者】関心を表明というのは,ちょっと分かりにくいんです,もう少し。

【安藤副報道官】我が国として,本事案について,関心を有しているということについて,中国側に説明したということです。

【共同通信 田窪記者】相手は中国政府当局。

【安藤副報道官】詳細については,差し控えさせていただきたいと思います。

【共同通信 田窪記者】中国とは,中国政府当局を指す言葉ですか。

【安藤副報道官】そう理解していただいて結構です。

【時事通信 内海記者】今回,二日間にわたってということですけれども,1度,21日の時点で現場を確認して,その後,1回視野から離れて,翌日,また改めて見つけたと,そういうことなんでしょうか。

【安藤副報道官】ご説明した以上の詳細については,控えさせていただきたいと思います。冒頭,ご説明したとおり,21日の朝,北朝鮮船籍タンカーと船籍不明の小型船舶が,東シナ海の公海上で横付けしていることを確認し,22日の朝にも確認したということです。

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