記者会見

丸山外務報道官会見記録

(平成30年3月14日(水曜日)16時32分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)日パラオ外相会談

【丸山外務報道官】明15日,河野外務大臣は,マルグ・パラオ国務大臣と外相会談を行う予定です。
 マルグ国務大臣は今回,太平洋・島サミット高級実務者会合に出席するため来日されました。河野大臣との間の外相会談は初めてとなります。
 パラオは太平洋によって結ばれた隣国であり,歴史的にも日本と緊密な関係を有する重要なパートナーです。
 今回の訪問を通じて,良好な二国間関係がより一層強化されることが期待されます。

(2)日スリランカ首脳会談

【丸山外務報道官】本14日,河野外務大臣がマーラパナ・スリランカ外務大臣と会談を行いました。これに続きまして,本14日夜,安倍総理は,シリセーナ・スリランカ大統領と首脳会談を行います。
 シーレーン上の要衝に位置し,着実な経済成長を遂げているスリランカは,インド太平洋の平和と安定にとって極めて重要な存在です。
 本首脳会談では,国際社会の諸課題,二国間関係の強化等について意見交換を行う予定です。
 今般の大統領訪日により,両国の絆と協力関係が一層深まることが期待されます。

(3)対日理解促進交流プログラム

【丸山外務報道官】今週もまた多くの若者が日本を訪れております。「JENESYS2017」の下,ASEAN9か国及び東ティモールの青少年等約230名,シンガポールの高等専門学校生26名,タイの高校生30名,ラオスの高校生・大学生23名,東ティモールの大学生・社会人32名,モンゴルの青少年83名,「カケハシ・プロジェクト」の下,米国の大学生等320名,「MIRAI プログラム」の下,欧州の若手社会人20名,「JUNTOS!!」の下,中米・キューバグループの社会人28名が来日しています。
 将来を担う人材が本プログラムを通して,多くの日本人と交流を重ね,この経験や日本の魅力を帰国されてからも積極的に発信して,周囲の方々とも共有していただければと思います。

北朝鮮情勢

【共同新聞 福田記者】北朝鮮問題についてお伺いします。南北と米朝で首脳会談が調整されている中で,拉致問題を解決する観点から,日本政府として,日朝首脳会談についてどのような立場であるかをお聞かせください。

【丸山外務報道官】我々の考えとしては,まずは南北,米朝首脳会談に向け,引き続き,日米韓3か国の間で綿密に政策のすり合わせを行っていく,これがまず第一です。その上で,日米韓3か国で緊密に連携しながら,核・ミサイル,それからご指摘の拉致問題,この包括的な解決に向けて取組を進める。その上で,何が最も効果的かという観点から,今後の対応を検討していきたいと考えています。

【共同新聞 福田記者】重ねてになるんですが,最近,政府の発表の中に,日朝国交正常化を目指すという方針に変わりはないという言葉が入ってくるようになったんですが,これまでは,拉致・核・ミサイルの包括的な解決を,ただ発表するだけだったんですが,あえて国交正常化を目指すという発信をされるようになった狙いについて,お聞かせください。

【丸山外務報道官】今回,こういう形で,南北,米朝の首脳会談に向けてすり合わせが行われていく中で,日本の基本的な立場をいうものを,改めてここでお伝えしたということです。

【共同通信 福田記者】それは対話への意欲というふうにも受け取れるんですが,そういうわけではないんでしょうか。

【丸山外務報道官】何が最も効果的かということ,特に包括的な解決にですね,これに向けて今後の対応を検討していくということになります。

外務省における文書管理

【朝日新聞 田嶋記者】森友学園の問題で,財務省が公文書の書き換えを認めましたけれども,外務省として公文書の取扱いについて,例えば,改めて省内で注意喚起するとか,そういったお考えはあるんでしょうか。

【丸山外務報道官】外務省における行政文書の作成,保存,管理については,公文書管理法等に則って適切に行っています。文書は,適切に保存すべきことは職務の基本として指導しており,例えば,研修の機会には紙文書については,施錠のできるファイリングキャビネットに保存するだとか,あるいは電子文書については,適切なアクセス制限を行う等,適切な保存を指導・徹底しています。これからも引き続き,適切な保存管理,またそれに関する指導をしっかりと行っていきます。

【朝日新聞 田嶋記者】何か今回の事態を受けて,改めてということではない・・・。

【丸山外務報道官】これまでも適切に行ってきておりますので,引き続き,適切な保存管理,それから,それに関する指導ということです。

日露外相会談

【読売新聞 梁田記者】ちょうど1週間後,日露の外相会談が予定されていますけれども,河野大臣とラヴロフ外相のですけれども,5月には首脳会談も行われる見通しが強い中で,改めて今度の外相会談では,どのような成果を日本政府としては期待しているかというところをお聞かせください。

【丸山外務報道官】日露外相会談ですが,先般,河野大臣がモスクワを訪問し,その時に共同経済活動について5月のあり得べき首脳会談に向けて,双方が積極的に今後具体化できるように,努力するよう事務方に指示をするということを決め,それを今実行している段階であります。
 5月のあり得べき首脳会談に向けて,さらに外相同士で,現在の状況についてのすり合わせを行い,さらに現状を確認した上で,今後どういったことを進めていけば良いかについて議論することが期待されますが,今この段階で,私の方から外相会談の内容について予断することは差し控えたいと思います。

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