記者会見

丸山外務報道官会見記録

(平成29年8月30日(水曜日)16時36分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)ミャンマー・ラカイン州北部における襲撃事件の発生及びラカイン州助言委員会による最終報告書の発表

【丸山外務報道官】8月25日以降,ミャンマー・ラカイン州北部各地において発生している治安部隊等に対する襲撃行為は絶対に許されるものではなく,強く非難するとともに,犠牲者のご遺族に対し,心からの哀悼の意を表します。また,現地の治安回復,住民の保護及び人道支援アクセスの一刻も早い確保を強く期待します。
 日本政府は,コフィ・アナン元国連事務総長率いる,ラカイン州助言委員会による最終報告書に示された,同州の平和と安定の実現のための勧告の履行に関わる,ミャンマー政府の努力を支援していきます。

(2)中根副大臣のアジア・中南米協力フォーラム外相会合への出席について

【丸山外務報道官】本日から31日までの日程で,中根外務副大臣は,アジア・中南米協力フォーラム(FEALAC)第8回外相会合に出席するため,韓国の釜山を訪問します。
 FEALACは,アジア地域及び中南米地域から36か国が参加し,両地域を結ぶ唯一の地域間フォーラムであります。加盟国間の友好協力の促進等を目的としています。ちなみにアジア太平洋からは,日本,中国,韓国,モンゴル,ASEAN各国,オーストラリア,ニュージーランド,計16か国が参加します。
 我が国からはこれまでも外相会合に政務レベルで出席しており,今回も中根副大臣が政府代表として出席するものです。

(3)堀井巌外務大臣政務官のスリランカ訪問

【丸山外務報道官】8月30日から9月2日まで,堀井巌外務大臣政務官はスリランカを訪問します。
 スリランカでは,インドの主要シンクタンクであるインド財団等が主催する国際会議「インド洋会議2017」に出席するほか,スリランカ政府関係者等との会談を行う予定です。
 この会議では,インド洋地域の主要な国や海洋パートナーと,「平和,発展,繁栄」を全体テーマとして,安全保障や開発に関係する様々な問題について議論を行うことを目指します。

(4)「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話の開催

【丸山外務報道官】明8月31日,「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話が開催されます。10回目となる今回は,「日本と中央アジア関係の今と未来を展望する」をテーマとして行います。
 東京対話は,日本と中央アジア5か国の協力を促進するための枠組みである「中央アジア+日本」対話の一環として行われており,有識者・専門家の参加を得て公開シンポジウムの形式で行うものです。会合では,堀井学外務大臣政務官による基調スピーチを予定しています。

メイ英国首相の訪日

【mlex 坂巻記者】今日からメイ・イギリス首相が来訪しておりますけれども,今回の訪日で,日本政府として達成したいこと,特に経済関係においてEU離脱を控え,日本の経済界,産業界からは懸念が出されていますけれども,それに対して日本はどのようなことを期待しているのか,また,EPAも英国のEU離脱に伴って,日英のことを検討する段階にきているかと思いますが,そのことについても教えてください。

【丸山外務報道官】今回のメイ首相の訪日ですけれども,メイ首相就任後,初めての訪日であります。ちなみに首脳会談としては,今年7月のG20ハンブルクサミットの首脳会談以来,4回目の会談となります。今回は特に,3つの点について日英協力を更なる高みに引き上げる,そのための戦略的な協力の方向性を確認したいと考えております。
 この3つと言いますのは,安全保障,経済パートナーシップ,そして世界の繁栄成長,この3つであります。特に安全保障に関しては,安保・防衛協力という観点から,自由で開かれたインド・太平洋の確保のための協力を含めて,いろいろと議論をしていくことになると思いますし,北朝鮮問題,東シナ海,南シナ海で共通認識,連携を確認していくことが期待されております。
 ご質問のありました経済の関係ですが,日本の企業の懸念を念頭に置いた上で,企業への影響を最小化する,そのために透明性ですとか,予見可能性の確保を英国側には要請することになるかと思います。また日EU・EPAですが,これも早期の署名・発効に向けて,英国の協力を求めていきたいと考えております。
 いずれにしても日英経済関係ということでは,ご指摘のありましたブレグジット,EU離脱後の日英経済関係の強化に向けても,協力していくということで議論をするということになろうかと思います。

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