記者会見
丸山外務報道官会見記録
(平成29年8月2日(水曜日)16時40分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)フィリピン・ミンダナオ島における武力衝突にて発生した避難民に対する緊急無償資金協力
【丸山外務報道官】7月28日,我が国は,ミンダナオ島マラウィ市での武力衝突にて発生した避難民に対する支援として,国連世界食糧計画(WFP)及び国連児童基金(UNICEF)に対し,合計200万ドル(2.2億円)の緊急無償資金協力を行いました。避難民に対し,食料,保健及び水・衛生分野の支援を早急に実施していく予定です。
ミンダナオ島では5月23日以降,フィリピン当局とイスラム過激派武装組織との間での武力衝突により,数多くの死傷者と避難民が発生しています。
本年12月31日まで,戒厳令が延長されたと承知しており,我が国としては,事態が早期に沈静化することを期待しております。
(2)海洋モニタリングプロジェクト
【丸山外務報道官】福島第一原発の廃炉・汚染水対策については,IAEA等の協力を得ながら,国際社会に開かれた形で進められてきています。その一環として,我が国が行う海洋モニタリングの信頼性及び透明性の維持・向上のために,2014年以来,IAEAと海洋モニタリングに関するプロジェクトを実施してきています。
本プロジェクトでは,IAEAと協力して,海水・水産物等の試料共同採取,試料中の放射能の分析技術に関する試験,分析結果の相互比較などを実施してきました。
7月31日,IAEAは過去に実施した6回の相互比較の結果をとりまとめ,報告書を公表しました。IAEAは本報告書の中では,日本の分析機関の試料採取方法は適切であり,分析機関は高い正確性と能力を有している旨,評価しました。
米上院議員の発言
【NBC 山本記者】昨日ですね,アメリカの軍事委員会の有力メンバーであるリンゼー・グラム上院議員が,私どもの番組に出演しまして,その中で,トランプ大統領との会話を一部紹介して,北朝鮮がこのままICBMの開発を続けるのであれば,戦争は避けられないという,かなり過激な発言をされているんですが,もし,戦争が起きたとしたら,それは被害を被るのはアメリカ本土にいるアメリカ人ではなく,アジアにいる人たちだというふうに述べているんですけれども,この発言に関してコメントをお願いできますでしょうか。
【丸山外務報道官】まず,私自身,その発言については承知しておりません。それに,今後のアメリカの対応について予断することは差し控えたいと思います。
いずれにせよ,地域の安全保障環境が,一層厳しさを増す中で,米国の抑止力を確保するということは重要であリます。このような観点から,すべての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ政権の姿勢を,我が国は高く評価しています。日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことが重要であり,我が国としては,引き続き安全保障面を含め,日米の協力を進めていく,そういうことであります。