記者会見
丸山外務報道官会見記録
(平成29年6月28日(水曜日)16時34分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)岸副大臣,薗浦副大臣,武井政務官のアフリカ出張
【丸山外務報道官】先週及び今週,岸副大臣,薗浦副大臣,武井政務官が相次いでアフリカ等を訪問していますので,冒頭ご紹介します。
薗浦副大臣は6月24日から7月1日まで,アラブ首長国連邦,モーリシャス共和国,ケニア共和国,マダガスカル共和国及びモザンビーク共和国を,武井政務官が26日から7月3日まで,ザンビア,スワジランド,ナミビアを訪問しています。
薗浦副大臣は,25日にアラブ首長国連邦においてアブダッラー外務・国際協力大臣と会談しました。その中で,カタールをめぐる情勢について議論をし,日本企業の活動への配慮を求めたほか,良好な経済関係に加え,政治,教育,文化等の幅広い分野で両国の「戦略的パートナーシップ」,その強化に向けた方策について議論しました。
薗浦副大臣は,また,26日にモーリシャスでジャグナット首相を表敬しました。また,27日は,ケニアでアミナ外務大臣等と会談しました。今後,28日はマダガスカル,29日,30日にはモザンビークを訪問し,それぞれ政府関係者と意見交換を行う予定です。さらに,帰国途次に立ち寄る南アフリカにおいて,ムフェケト副外務大臣と会談する予定です。
武井政務官は,26日,27日にザンビアを訪問し,ルング大統領を表敬しました。また,カラバ外相と会談を行いました。28日,29日にはスワジランド,29日から7月2日にかけてナミビアを訪問し,政府関係者と意見交換を行う予定です。
また,岸副大臣は,22日から23日まで,ウガンダ共和国を訪問し,国連とウガンダ政府が共催するウガンダ難民連帯サミットに出席しました。岸副大臣は,同サミットで,日本の包括的な難民支援の理念と実践を紹介して,ウガンダへの新規支援1,000万ドルを含む,総額5,000万ドルの支援を発表しました。
こうした一連の訪問は,二国間関係の強化に加え,特にアフリカ諸国との間では,TICAD閣僚会合を前に,アフリカ諸国との協力強化に大いに資するものとなると期待されています。
(2)滝沢政務官のジョージア及びアルメニア訪問
【丸山外務報道官】ジョージアとアルメニアと我が国との関係におきましては,今年,外交関係樹立25周年であります。そうしたことで二国間関係のさらなる強化と国際場裏での協力が強化されること,それを目的として滝沢政務官が訪問中です。
ジョージアには6月26日から28日,ここではクヴィリカシヴィリ首相との立ち話,本日は,ジャネリゼ外務大臣との会談も行われる予定です。28日から29日はアルメニアを訪問して,政府要人との会談を行う予定です。
この両国は,コーカサス地域に属していまして,欧州・アジア・中東地域に近接する観点からも地政学上も大変重要な地域であります。そうした地域の安定と繁栄に日本が貢献することは,国際社会にとっても重要だと考えます。
(3)地方創生支援 飯倉公館活用対外発信事業
【丸山外務報道官】7月3日に,飯倉公館において,外務大臣及び福岡県知事の共催レセプションが開催されます。
この事業は,外務大臣と自治体首長の共催により,飯倉公館を活用して,海外に地方の多様な魅力を発信する事業であります。外国の活力を取り込みながら,地方創生,そして地域経済の振興を支援するものです。
今回のレセプションでは,福岡の観光や食材,伝統工芸品などのPRに加えて,福岡所在の企業が開発した新世代楽器「KAGURA」(Webカメラ上の映像から人の動きを認識して,画面上で音楽を作り出すことができる演奏機材)のパフォーマンスなどの企画を通して,在京外交団,外国商工会議所,観光業界等に対して福岡の魅力を広く発信する予定です。
レセプションに先立ち,同日,飯倉公館において,福岡県が主催して,外務省が協力する「福岡県の魅力発信セミナー」も開催されます。
台湾のTPP参加等
【財新メディア 舛友記者】2点お伺いしたんですが,一つ目が,今週,台湾の行政院長がTPP11に是非参加したいと表明し,日本政府としてもこの動きを歓迎したと思うんですが,このつながりでお伺いしたいのが,まだ始まっていませんが,日台FTAの交渉について,今,どういう進捗具合がどうなのか,そしてTPP11とどういう兼ね合いがあると見てらっしゃるのかというのをお伺いしたいのが一つ。二つ目が,これも今週話題になった,中国でノーベル平和賞を受賞した劉暁波(りゅう・ぎょうは)さんが末期の肝臓がんと診断され,仮釈放されたわけですが,こうした事態について,外務省としてどういうふうにご覧になっているのか,2点お願いします。
【丸山外務報道官】まず,TPPに台湾が参加したいという点についての最初のご質問についてですが,TPPは自由で公正な経済圏を地域や世界に広げていくと,そのための開かれた協定であるということで合意されたものであります。この点は5月のTPPの閣僚会合の共同声明の中でも,TPPの高い水準を受け入れる他のエコノミーを包含して,TPPを拡大していくというビジョンとして確認されております。こうした中,ご指摘の台湾を含め,様々な国・地域が引続きTPPへの参加に関心を示しているということを歓迎したいと思います。我が国としては,7月に日本で開催します高級事務レベル会合を含め,今後,TPPの早期発効に向けた議論を主導的に進めていくとともに,台湾をはじめとする関心国・地域に対しても必要な情報提供,そうしたことを行っていきたいと考えております。
それから日台のEPAの可能性ということですが,これは我が国と台湾との経済連携ということですが,これについては台湾に関する我が国の基本的立場,これを踏まえつつ幅広い経済関係を視野に入れながら,そのあり方等について検討を進めていく,そういうことが適切だと考えています。
それから,先ほどご質問がありました劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏の件ですが,我々も報道については承知しております。政府としては,これまでも一貫して述べてきておりますとおり,自由ですとか,基本的人権の尊重,法の支配,こういったことは国際社会における普遍的価値であります。これらが中国においても保証されることが重要であると考えております。我が国としても,引き続き高い関心を持って,本件についても注視していくということであります。