記者会見
丸山外務報道官会見記録
(平成29年5月31日(水曜日)16時33分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)スリランカにおける豪雨災害に対する国際緊急援助隊(専門家チーム)の派遣
【丸山外務報道官】本31日,我が国政府は,スリランカ民主社会主義共和国において,5月24日から降り続いた豪雨により,同国南西部を中心に発生した洪水及び土砂崩れ等の被害に対し,同国政府からの要請を受け,国際緊急援助隊(専門家チーム)を派遣することを決定しました。同チームは6月2日に現地に向けて出発する予定です。
我が国としては,スリランカ政府の要請を踏まえ,我が国とスリランカとの友好関係に鑑み,人道支援のための緊急援助を行うこととしたものです。
(2)海外在留邦人数・進出日系企業数の調査結果の公表
【丸山外務報道官】本31日,外務省は,海外在留邦人数・進出日系企業数の調査結果を公表しました。
平成28年10月1日時点で,海外に在留する邦人は約134万人,海外に進出している日系企業は約7万拠点,それぞれ過去最多を更新しました。
なお,在留邦人数の調査は,各在外公館に提出されている在留届を基に実施しています。在留届は,海外に3か月以上居住する場合には,旅券法により提出が義務づけられており,邦人保護を始めとする様々な業務を実施する上で重要な基礎データとなっています。このため外務省としては,改めて在留届の提出及び帰国・転出時の届出,そして「たびレジ」への登録を,海外に在住・渡航される国民の皆様に呼びかけたいと思います。
(3)駐日各国大使等を対象とした福島県いわき市スタディーツアー
【丸山外務報道官】6月8日,外務省は,福島県いわき市において,駐日各国大使等を対象とした,常磐共同火力株式会社の勿来発電所等の視察,それから高効率石炭火力発電導入に関するワークショップを実施します。
今回のスタディーツアーは,安倍総理が昨年3月に福島を訪問した際に表明した「福島新エネ社会構想」,並びに本年4月に開催された第1回再エネ・水素等関係閣僚会議における水素社会実現のモデル構築などを目指す現地での取組,これを駐日各国大使等に紹介し,もって我が国の再生可能エネルギー等にかかる関連施設や最先端の技術を世界に発信することを目的としています。
今回のスタディーツアーは,昨年8月に続いて2回目となります。発電所の視察に加え,世界の石炭火力発電の現状に対する参加者の理解を深める,そのために「高効率石炭火力発電導入」に関するワークショップを開催する予定です。
また,訪問先の小名浜魚市場では,地元で水揚げされた新鮮な魚料理が駐日各国大使等に昼食時に供される予定となっており,福島の食材の安心・安全についてもPRする予定です。
アフガニスタン・カブールにおける爆発事案
【NHK 坂本記者】アフガニスタンの首都,カブールで大使館の集まる場所で,爆発があったということなんですが,現時点で状況,どのように把握していらっしゃいますでしょうか。
【丸山外務報道官】ご指摘の爆発事案ですが,在アフガニスタン大使館からは,大使館員等,在留邦人全員の無事を確認した旨の報告がありました。現地からの一報を受けまして,中東アフリカ局長を長とする外務省連絡室を設置しました。また,現地大使館では,既に緊急対策本部を立ち上げ済みです。引き続き,本件の事実関係確認及び情報収集に努めてまいります。
【NHK 坂本記者】これは大使館の周りで,しかもラマダン月の時に起きたということなんですが,これがテロかどうかという,その可能性についてはいかがでしょうか。
【丸山外務報道官】事実関係については,現在,確認中です。
【産経新聞 杉本記者】怪我をされた方が,お二方いらっしゃるということなんですけれども,その方々の性別,年齢等,情報ございますでしょうか。
【丸山外務報道官】大使館の窓ガラス等が割れる等の損傷があって,日本人職員2名が切り傷等の軽症を負った,大事には至っていないとの報告を受けています。
【産経新聞 杉本記者】性別とか年齢とかは…。
【丸山外務報道官】人体事項については,特に私どもの方から今,ここで申し上げることはないと思います。
「表現の自由」特別報告者による報告書の公表
【NHK 坂本記者】国連の人権委員会の特別報告者が,日本の表現の自由についての報告書をまとめて,メディアの独立性を強化すべきだなどという勧告を出して,6月6日からの,セッション35のところに提出するという方向だということなんですが,これについて,日本政府の見解,あと,今後どういうふうに対応していかれるおつもりでしょうか。
【丸山外務報道官】ご指摘の「表現の自由」国連特別報告者による訪日報告書,それとこれに対する日本政府の説明・反論が国連人権高等弁務官事務所のホームぺージ上に公表されたと承知しています。今般,公表された報告書に日本政府の主張や反論がどのように反映されているか,現在,精査中でありますが,取りあえずのコメントとして申し上げれば,次の点が言えるかと思います。
政府としましては,この特別報告者の報告書において指摘されております報道の独立性,それから歴史教育への介入,特定秘密保護法,それから沖縄のデモ,そういった論点についての日本政府の立場について,これまで機会をとらえて,丁寧に同報告者に対して説明を重ねてきました。このように,丁寧な説明を尽くしてきたにもかかわらず,今般,日本政府の立場を十分に反映していない内容の報告書が公表されたということは,遺憾であり,政府としては我が国の状況が正しく理解されるように,引き続き,特別報告者との対話を継続する,それとともに国連人権理事会の場においても,しっかりと説明をしていきたい,そういう所存であります。