記者会見
丸山外務報道官会見記録
(平成29年3月15日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)外交政策についての国内世論調査
【丸山外務報道官】外務省は,毎年度,外交政策についての国内世論調査を実施しており,本年度は2月に調査を行いました。その結果がまとまりましたのでご報告します。
調査結果では,安倍総理及び岸田大臣の外国訪問など,「地球儀を俯瞰する外交」として,国際社会での日本の存在感の強化,幅広いネットワークの構築を積極的に進める等の活動については,「評価する」との回答が8割を超え,昨年度から更に増加しました。
トランプ米新政権との間で,関係強化を期待する分野としては,「安全保障面」との回答が7割を超え,次いで,「テロ対策」及び「経済・貿易面」が上位を占めました。
国連安保理の非常任理事国としての日本の取組については,「評価する」と回答した人が7割弱を占めました。
今回の調査結果は,近日中に外務省ホームページに掲載しますので,詳細はHPをご覧ください。
(2)春の海外安全強化月間「たびレジ」登録促進キャンペーン
【丸山外務報道官】「春の海外安全強化月間」キャンペーンの一環として,外務省の海外安全情報メール配信サービス「たびレジ」の周知・登録促進を目的としたイベントを,3月27日(月)に,成田空港第2ターミナルで実施します。
このイベントでは,海外経験の豊富なタレントの篠原信一(しのはら しんいち)さんと河北麻友子(かわきた まゆこ)さんから,海外での安全対策の重要性や,そのための「たびレジ」の有用性等についてトークショーの形で紹介いただく予定です。
イベントの詳細については,後ほど担当の領事局海外邦人安全課から説明をさせていただきますが,同イベントの取材につきましても,記者の皆様のご協力をお願いします。
外交政策についての国内世論調査
【NHK 坂本記者】国内世論調査についてちょっと確認したいんですけど,「ロシアとの協力をいかなる分野で推進すべきか」について,「北方領土問題の解決」というのは,去年3月の調査と比べると14ポイントくらい増えていて,その他の「人的または文化交流の拡大」についても大幅に増えています。この増えているということの数値の要因,背景はどんなことがあるというふうに考えられますでしょうか。
【丸山外務報道官】政府としては,北方領土問題の解決に向けまして,昨年12月のプーチン大統領の訪日を含めて,首脳間を含む,様々なレベルでロシア側と精力的に交渉を進めています。そういった意味から,今回の結果は,日露関係を進めていく上で後押しになるものと認識しています。
【NHK 坂本記者】様々な政治的な対話が進んだことで興味,関心というのも増えたというようなことで,分析してらっしゃるんでしょうか。
【丸山外務報道官】その理由については,我々の方としてコメントする立場にはないと思いますが,これまでの首脳間を含む,様々なレベルでのロシア側との交渉が進んでいるということが,認識されているものと思います。
【NHK 坂本記者】「東アジア地域を取り巻く安全保障関係は一層厳しさを増している」と答えている人が9割弱に上っています。これについての受け止めをお願いします。
【丸山外務報道官】これまでも政府としましては,この東アジアの安全保障環境については厳しさを増しているということは申し上げてきました。それからこの調査が行われた時期が2月ということで,北朝鮮情勢を含め,そういった動きがあった時期だということも反映されていると思いますが,いずれにしてもこういう政府の認識が,国内世論においても共有されていると,そういうことを示す結果だったと考えています。
日露「2+2」
【ロシア新聞 レーニン記者】来週,日露外務・防衛大臣の会談があります。その会談に関連する質問があります。今,日程が決まっていますか。もう一つの質問ですが,その会談では何の問題があげられますか。
【丸山外務報道官】まず,隣国であるロシアと安全保障分野の対話を進めていくこと,これは非常に重要であります。日程は3月20日です。
3月20日の協議の内容ですが,先般,弾頭ミサイルを発射した北朝鮮の動向を始め,アジア太平洋地域における安全保障環境が厳しさを増している中で,地域の平和と安定,それを確保すべく,日露間の意思疎通を図るとの観点から,建設的な議論を行っていきたいと考えています。